2016 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of HIston methyation in retinal defferentiation and maintenance
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15H04695
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 すみ子 東京大学, 医科学研究所, 特任教授 (60240735)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 網膜 / ヒストン / メチル化 / 発生 / 視細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒストンメチル化の一種であるH3K36me3の網膜発生における役割について解析を行った。H3K36me3の脱メチル化を行う酵素の網膜特異的ノックアウトマウスはすでに作成し、このマウスが網膜発生中に視細胞分化に異常があることを明らかにしていた。このマウスについてさらに免疫染色を追加して視細胞の分化が特異的に障害されているというフェノタイプを確定した。その上で、メチル化の異常により遺伝子発現の異常が観察されるのかどうかについて、このマウスの網膜を用いて網膜特異的遺伝子について発現パターンをqPCRでコントロールと比較した。視細胞関連の複数の遺伝子について発現パターン異常が観察された。このため、これらの遺伝子の遺伝子座においてH3K36me2, H3K36me3の修飾の異常が観察されるかどうかChIP-qPCRで検討してみたところ、多数の遺伝子座で、H3K36me2, H3K36me3両者のメチル化レベルの大きな変動が観察された。より網羅的に検討する必要性が出たため、H3K36me2, H3K36me3の抗体を用いてChIP-seqを行った。同時に当該酵素の抗体によるChIP-seqを行い、酵素が結合する可能性があり、かつH3K36me2あるいはH3K27me3レベルの変動がある遺伝子座についてバイオインフォマティクスにより抜き出した。これらを総合し、この酵素の網膜発生における役割とその分子基盤について論文としてまとめることが可能になるレベルまで到達した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想外の結果が出てきたため進捗が遅れたため翌年に繰り越して研究を続行することとなったが、ChIP-seqなどについて技術的な確立を行ったため、最終的にはほぼ計画どうり達成する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
網膜発生を制御する新しいヒストンメチル化のシステムとしてH3K36me3が明らかになってきたためこの役割についても解析し、当初より検討を進めていたH3K27me3と共に、ヒストンによる網膜発生をより多面的に明らかにすることを期待して研究を推進する。技術的なプラットフォームは共通であるため着実に進むことが期待される。
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Research Products
(4 results)