2017 Fiscal Year Annual Research Report
Role of NKG2D ligands in pathologic conditions
Project/Area Number |
15H04716
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笠原 正典 北海道大学, 医学研究院, 教授 (30241318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 紀幸 北海道大学, 医学研究院, 助教 (00447046)
宮武 由甲子 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (10421984)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | NKG2Dリガンド / MHC / NK細胞 / 免疫監視 / H60c |
Outline of Annual Research Achievements |
がん化,感染,組織損傷などによって発現が誘導されるNKG2Dリガンドは,NK細胞,キラーT細胞,γδ T細胞に活性化シグナルを入れる主要なリガンドであり,生体が異常細胞を排除するうえで重要な役割を果たしている。研究代表者らは,主にマウスを用いて,NKG2Dリガンドが表皮に局在するγδ T細胞であるdendritic epidermal T cellの活性化を介して皮膚・粘膜における免疫監視や恒常性維持に関与していることを示してきた。例えば,皮膚における恒常性維持の代表的なものとして創傷治癒があるが,創傷部位におけるNKG2Dリガンドの発現は創傷治癒に促進的に働くことを示した。平成28年度からは,難治性創傷である褥瘡におけるNKG2Dリガンドの役割について検討を行い,本年度は以下の成果を得た。1.皮膚虚血・再灌流モデルを用いてNKG2D受容体欠損マウスと野生型マウスに褥瘡を作成したところ,前者では後者に比し,創傷治癒の遅延が認められた。2.NKG2D受容体欠損マウスでは野生型マウスに比べて創傷部位に好中球浸潤が高度に認められた。これにより炎症の遷延が創傷治癒の遅延をもたらしている可能性が示唆された。3.創傷部位にはNKG2Dリガンドの一つであるRae-1の発現が誘導された。Rae-1の発現誘導には酸化ストレスの関与が示唆された。
以上より, NKG2DリガンドとNKG2D受容体の相互作用が褥瘡における創傷治癒に促進的に働いていることが示された。本研究の成果は,外傷による創傷の治癒のみならず,皮膚虚血・再灌流障害を基盤に有する褥瘡における創傷治癒においても,NKG2Dシステムが関与していることを示唆するものである。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)