2015 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルバイオロジーによる細胞内寄生菌生存・増殖戦略の解析
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15H04728
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 宏樹 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (80222173)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細菌 / 化合物ライブラリ / 細胞内寄生 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. パイロットライブラリスクリーニングにより得られた候補化合物の解析 研究代表者は従来の研究において、レジオネラ、サルモネラなどの細菌やトキソプラズマなどの原虫等、広い範囲の細胞内寄生性微生物の宿主細胞内増殖を阻害する化合物を1種見出していた。この化合物の真核細胞に対する作用について検討を行った結果、古くから知られている一群の疎水性アミンと同様に、細胞内のコレステロール輸送を阻害することを見出した。一般的にこの現象はある細胞内小器官の特定のコレステロール輸送経路の阻害によると理解されているのであるが、少なくとも我々が見出したレジオネラ・サルモネラという細胞内寄生性病原菌の宿主細胞内増殖の阻害は、この輸送経路の阻害にはよらないことを明らかにした。
2. 大規模化合物ライブラリに対する化合物スクリーニング 研究代表者が所属する大阪大学産学連携本部により提供されている大規模化合物ライブラリEnamine PDR subset 2000を対象に、マウスマクロファージ中でのレジオネラ増殖能を指標として化合物スクリーニングを行った。一次スクリーニングの結果として得られた約80種の化合物についてより詳細な検討を行った結果、3種の候補化合物に絞ることができ、さらに少なくとも1種については、既存の抗生物質とは異なる性質を持つと考えられた。今後、より詳細な機能解析をすすめるとともに、探索範囲をEnamine PDR subset 2000より広範囲に広げていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、予定していた候補化合物の解析・スクリーニングとも予定通り順調に推移した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおり、研究を遂行していく。
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Research Products
(2 results)