2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H04732
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
新藏 礼子 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (50362471)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 抗体 / 腸管免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳動物の消化器内では多種多様な細菌の中から宿主に不利益な悪玉菌は排除され、利益となる善玉菌が残され宿主との共生関係が保持される。こうした宿主による細菌の取捨選択過程に腸管より分泌されるIgA抗体が重要で、選択の鍵となる分子としてSerine hydroxylmethyltransferase(SHMT)を私たちは同定した。腸内細菌の選択機構を明らかにするために以下の2課題を実施した。 1、SHMTが腸内細菌制御の鍵となる細菌の分子であることを確認するため、異なる宿主県境から腸管IgA産生ハイブリドーマを作成した。マウスについてはことなる動物施設由来、異なる系統由来、無菌マウス由来、のIgAハイブリドーマを作成した。すべてのマウスからSHMTを認識するIgA抗体を取得した。実に調べたIgA 44クローンのうち42クローンのIgA抗体が大腸菌のSHMTを認識した。したがって、マウスにおいてSHMTは腸内細菌制御の鍵分子である可能性が高いと考える。さらにヒトの大腸由来のIgA産生ハイブリドーマも作成した。今後はこれらのヒトIgAの認識分子を確認する。 2、私たちが取得したW27マウスIgA抗体をマウスに経口投与した前後の腸内細菌層解析(16S rRNA及びメタゲノム)を行うことでIgA抗体が細菌叢に及ぼす効果を明らかにすることができる。ゲノム支援に採択され、サンプル調整とシークエンスデータが得られたところであり、今後データを解析してIgA抗体の効果を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト由来のIgA産生ハイブリドーマの作成に成功した。約20クローンを取得できた。 メタゲノム解析用のサンプル調整を予定通りに終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究進捗状況は概ね当初の予定通りに進んでいる。種々のマウスから、そしてヒト由来のIgA産生ハイブリドーマが20クローンほど取得できたのは予想以上の成果であった。ただし、これらのヒトIgA産生ハイブリドーマはIgA産生量がマウスのハイブリドーマに比較して、極端に少ないため、今後の解析を行うための抗体量を取得するのに時間がかかると予想している。 メタゲノム解析はこれから解析を行うため、その結果次第で研究の方向性が変わる可能性がある。
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Research Products
(7 results)