2016 Fiscal Year Annual Research Report
Regenerative mechanisms of pancreatic endocrine and exocrine cells
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15H04812
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
洪 繁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (90402578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 啓一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (30508114)
竹田 直樹 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教 (90304998)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Glp1受容体 / ノックインマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、ヒトの膵内・外分泌細胞は、自己組織修復・再生能力が無いために炎症等で障害されると組織修復が不可能で、組織障害は進行することこそあれ、二度と改善しないと考えられてきた。私達は自己免疫性膵炎(AIP)の治療前後の膵機能を経時的に観察することで、成人(老人)の膵ですら消化機能として消化酵素分泌量が著明に回復し、更に組織再生することを発見し、ヒト成人膵での自己再生能力の存在を明らかにした。 我々は、これまでの研究成果からGLP1受容体陽性細胞が、少なくとも膵内分泌細胞の前駆細胞である可能性を考え、マウスの膵でGLP1受容体とホルモンの局在を詳細に検討したところ、GLP1受容体発現細胞は強陽性細胞と弱陽性細胞があり、弱陽性細胞はβ細胞であるが、強陽性細胞は、非α, 非β細胞であること、また他の前駆細胞マーカー染色との共染色により、GLP1受容体強陽性細胞は膵前駆細胞である可能性を見出した。 平成28年度は、平成27年度に引き続きGlp1受容体ノックインマウスの作成を行った。ノックインマウスの作成は、当初予定では平成27年度に終了する予定であったが、平成27年度に作成したノックインマウスは、膵臓にレポーターたん白の発現を確認できなかったため、平成28年度に新たな遺伝子組み換えマウス作成用ベクターを構築し、組み換えES細胞を作成後、研究分担者熊本大学竹田グループにES細胞を送付し、マウスを作出した。Glp1-r KIは、Exon1のATGサイトの直後に蛍光タンパクmCherryを発現するユニットを組み込んだ。KIマウスの作出のためのベクター作製は、システム医学講座で行った。 ノックインマウスは、慶應義塾大学医学部システム医学講座の動物飼育施設に移設し、飼育及び交配中である。現在、その発現解析を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度にGlp1受容体ノックインマウスの作成を予定していたが、最初に作成したノックインマウスの蛍光タンパク質の発現等が認められず、平成28年度に再度ノックインマウスを作成した。現在作成したノックインマウスを飼育し、研究を継続していることから、平成29年度にはこれらのマウスを用いた研究成果が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、平成28年度までに作成したノックインマウスを使用して、研究を進める。
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