2016 Fiscal Year Annual Research Report
新しいヒトiPS細胞由来心筋特異的前駆細胞を用いた心臓再生治療戦略の開発
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15H04819
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 潤 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (50335288)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 再生医学 / 発生・分化 / 細胞・組織 / 循環器・高血圧 / 移植・再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓移植を代替しうる細胞移植再生治療として、従来の「分化心筋細胞を補充する」のではなく、心臓の幹細胞システムを部分再構成し、「組織内で心筋を生成する」新しい心筋前駆細胞治療が次世代戦略として期待される。研究代表者は、多能性幹細胞からの心血管細胞分化・再生における種々の成果を上げてきた。最近、ヒトiPS細胞分化途上において高効率且つ選択的に心筋細胞に分化する新しい心筋特異的前駆細胞分画を細胞表面マーカーにより世界に先駆けて同定した。同細胞を用いて新しい心臓再生治療戦略を開拓することを目的とし、同細胞の基本的性状解析から細胞治療応用法まで、同心筋前駆細胞を幅広く臨床応用するための礎を築く。 1)-3)の3項目に関して検討し、新規心臓再生治療戦略を開発する。1)CCP+心筋前駆細胞の性状解析。i)CCP+心筋前駆細胞の分化増殖特性の解析。CCP+細胞が非特異的培養条件においても高率に心筋細胞に分化することを明らかにした。ii)CCP+心筋前駆細胞の分化運命決定機構の解析。CCPの発現により、細胞内のWntシグナルが抑制されることにより、心筋への分化が促進されることを明らかにした。 iii) CCPの機能的意義の解析。CCPが核内のβカテニンを低下させることにより、Wnt阻害に働いていることを明らかにした。 2)CCP+心筋前駆細胞の心臓への移植法の開発。直接的に針注射を行っても細胞は残存し、高率に心筋細胞として心臓に生着した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CCP+心筋前駆細胞の特性、機能、などの解明に成功した。心臓への移植後においても特異的心筋に分化することを証明した。
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Strategy for Future Research Activity |
心臓への移植法の改善を行い、ラット心筋梗塞モデルへの移植において、機能改善効果があることを明らかにしていく。
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Research Products
(3 results)