2015 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病脳で生じるインスリン抵抗性に関する実証的研究
Project/Area Number |
15H04839
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
池内 健 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20372469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳武 孝允 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (00707838)
豊島 靖子 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (20334675)
春日 健作 新潟大学, 研究推進機構, 助教 (70547546)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 遺伝子発現 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病は,遺伝的要因などの先天因子と後天因子が複雑に交絡して発症に至る。糖尿病が数多くの疫学研究によりアルツハイマー病の後天因子となることが示されている。糖尿病が惹起する病態の中でもインスリン抵抗がアルツハイマー病の深く関与することが注目されている。本研究は糖尿病に伴って生じる中枢神経におけるインスリン抵抗性に着目し,初代神経培養細胞,剖検脳などヒト生体試料を用いた多層的な解析を実施した。アルツハイマー病の患者脳内で生じるインスリン抵抗性に関連する病態を反映する共培養システムをまず樹立した。この培養システムは,ドナー細胞とレシピエント細胞を独立したディッシュで培養することで,ドナー細胞が産生するAbetaが初代神経培養細胞(レシピエント細胞)のインスリンシグナル伝達異常を介して内在性タウに異常リン酸化が誘導させることが可能である。レシピエント細胞からRNAを抽出し,逆転写反応を行い,エクソンアレイによる網羅的な発現解析を実施した。この解析によりインスリン抵抗性に関連する幾つかの分子の発現変動を見出した。次に,アルツハイマー病患者由来の剖検脳と対照群の剖検脳からRNAを抽出し,RNAの抽出を行った。バイオアナライザーを用いてRNA品質を検証し,RIN > 7.0のサンプルについてエクソンアレイを用いた解析を行った。GRB14を含むインスリン抵抗性に関係する幾つかの遺伝子発現変動を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は概ね研究計画にそって順調に進展している。大きな支障は生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的な遺伝子発現解析により得られた複数の遺伝子群をネットワーク(パスウェイ)として解析することが必要である。また,培養細胞とヒト生体試料の結果の異同について検討する必要がある。
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Research Products
(3 results)