2017 Fiscal Year Annual Research Report
Peripheral Circadian Dysregulation and Metabolic Disorders
Project/Area Number |
15H04849
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
谷澤 幸生 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00217142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 康晴 山口大学, 医学部, 准教授(寄附講座等) (60448280)
田部 勝也 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (00397994)
幡中 雅行 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60572534)
秋山 優 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (90717547)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 体内時計 / 時計遺伝子 / 糖代謝 / インスリン分泌 / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体リズム異常が耐糖能異常の要因になりうることが明らかになってきた。 DbpとE4bp4は出力系時計遺伝子と呼ばれ、互いに逆位相で発現される概日リズムをもつ。DBPは転写活性化、E4BP4は転写抑制因子としてD-box配列を介して下流の遺伝子を制御する。DBPシグナルの膵β細胞機能における役割を解明するため、インスリンプロモーター下でE4BP4を発現するMIP-E4BP4マウスを作製した。膵β細胞特異的に過剰発現されたE4BP4により恒常的にDBPシグナルが抑制されるこのマウスは、顕著なインスリン分泌不全を伴う耐糖能障害を呈した。膵ラ氏島では、ATP/ADP比の概日変化が消失し、グルコース刺激前からATP/ADP比が高値で、グルコース刺激時のATP/ADP比及び細胞内カルシウムの上昇が阻害されていると考えられた。また、野生型マウスの膵ラ氏島では、摂食時間に向けてインスリン分泌関連遺伝子発現が増加するが、MIP-E4BP4マウスではこの増加が認められなかった。 続いてDBPシグナルの肝での糖脂質代謝への役割を明らかにするため、肝細胞特異的E4BP4過剰発現マウスを作成した。このマウスはインスリン負荷試験において顕著な糖産生抑制不全、インスリン抵抗性増大を認めた。血中遊離脂肪酸、トリグリセリド濃度が変化し、呼吸商は非活動時間帯に肝TGマウスで有意に高値であった。これらの解析結果から、野生型マウスは非摂食時間帯に脂質をエネルギーとして利用するのに対し、肝TGマウスでは脂質利用障害があることが示唆された。 以上より、DBPシグナルの低下は膵β細胞でインスリン分泌不全を、肝細胞でインスリン抵抗性をきたすことが示唆された。このインスリン抵抗性には脂質代謝障害が大きく関与している可能性がある。さらにマクロファージ特異的E4BP4過剰発現マウスを既に作出し、解析を開始している。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(31 results)