2015 Fiscal Year Annual Research Report
経皮感作食物アレルギー発症機序の解明とその制御法の開発
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15H04865
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
善本 知広 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60241171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 一史 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20581549)
福岡 あゆみ 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (30709754)
安田 好文 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50333539)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 経皮感作 / 免疫寛容 / IL-33 / Treg細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
経口免疫寛容誘導機序の研究:脆弱なマウス皮膚にOVAを塗布すると、皮膚を介してOVA特異的Th2細胞が誘導され、このマウスにOVAを経口摂取すると直腸温低下を伴った食物アレルギーを発症する。一方、あらかじめ1mg OVAを週3回2週間経口投与したマウスでは、OVAで経皮感作しても血清IgE抗体の上昇も、OVAの経口投与による直腸温低下も認められない。この経口免疫寛容の機序をOVA 特異的Treg細胞に着目し検討した。その結果、1, OVA感作後経時的に腸間膜リンパ節細胞からmRNAを精製した結果、感作後11日目をピークにFoxp3 mRNA発現が上昇した。さらに、2, FACSにて腸間膜リンパ節にCD4+Foxp3+発現細胞の増加をmRNA発現時期に一致して確認した。最近、腸管特異的Treg細胞はIL-33受容体(ST2)を発現し、IL-33の作用で誘導・増加することが報告されている(Nature,2014)。さらに、我々はOVA感作IL-33欠損マウスにOVAを経口投与しても食物アレルギーを発症しないことを確認している。そこで、3,「OVA前投与OVA感作」IL-33欠損マウスで腸管Treg細胞が増加するか検討した。その結果、正常マウスと同様、腸間膜リンパ節細胞にFoxp3 mRNA発現の上昇を認めた。以上の結果は、経口免疫寛容誘導にIL-33は関与しないことを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IL-33欠損マウスでTreg細胞が誘導されたため、予定していた腸管Treg細胞の誘導に重要なCD11c+CD103+樹状細胞、TGF-β、レチノイン酸とIL-33との関連の検討に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
OVA 特異的Treg細胞の誘導にIL-33が関与しないことをIL-33受容体(ST2)欠損マウスにて追試実験を行う。さらに、Treg細胞の誘導に重要な因子(TGF-βやレチノイン酸)の関与を検討する。
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Research Products
(27 results)