2015 Fiscal Year Annual Research Report
病原細菌の主要なカルバペネム耐性機構、IMP-1に着目した研究
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15H04868
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
荒川 宜親 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10212622)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ベータラクタマーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
多剤耐性病原細菌は、最も緊急かつ早急に克服すべき重要問題の一つである。特に切り札的な抗菌薬とされているカルバペネムに耐性を獲得した病原細菌の地球規模での拡散は憂慮すべき事態である。カルバペネム耐性機構の最も主要なものは、細菌のカルバペネム分解酵素、メタロ-ベータラクタマーゼ(MBL)の産生である。我々は、世界で初めてヒト病原細菌からプラスミドにコードされたMBLであるIMP-1を発見した。本研究課題では、IMP-1に関する研究を発展させ、人体に投与可能なIMP-1阻害薬開発に向けた研究を中心に推進している。人体に投与可能なIMP-1阻害薬開発に向けた研究については、スクリーニング系の開発、化合物スクリーニングを順次、実施しており、スクリーニングの結果を受け、IMP-1酵素を用いた阻害実験、IMP-1産生株を用いた薬剤感受性試験、実験動物を用いた安全性試験により、IMP-1阻害薬候補を見つけ出す計画である。 それ以外にも、本研究課題に含まれる、IMP-1遺伝子を拡散させるインテグロンの進化学的解析や日本起源の新規メタロ-β-ラクタマーゼの発見に向けた研究についても、順次、進めており、IMP-1に関する研究が、さらに発展することが予想される。本研究課題を実行できるのは、これまでのIMP-1に関する研究で実績と蓄積がある当研究室であり、これまでに培われた技術を十二分に活用し、本研究計画を推進している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでのIMP-1に関する技術等の蓄積があり、概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に研究計画が進んでおり、引き続き計画を推進していく予定である。
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