2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H04884
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
阿部 理一郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60344511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 靖幸 北海道大学, 大学病院, 講師 (80374437)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 重症薬疹 / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
重症薬疹(Stevens-Johnson症候群:SJS、中毒性表皮壊死症:TEN)は致死的疾患であり、加えて重篤な後遺症を残す。病理学的に皮膚や角膜の広範な細胞死を特徴とし、そのため皮膚・角膜のびらん・潰瘍を来す。これまで重症薬疹の発症機序は不明であったが、最近我々は重症薬疹における細胞死はネクロプトーシスであり、annexin A1/formyl peptide receptor 1(FPR1)の新規経路を介して起こることを明らかにした(Sci Transl Med 2014)。 本研究において、新規経路によるネクロプトーシスの詳細なメカニズムを解明するとともに、この経路をターゲットとしたネクロプトーシス阻害作用を持つ重症薬疹治療剤を開発することを目的とする。 いて、抗原特異的リンパ球から産生される液性因子により誘導されることを明らかにした。 FPR1に対するアンタゴニスト探索:Gタンパク質共役受容体(GPCR)の一つであるFPR1に直接作用するシグナル阻害分子スクリーニングし、重症薬疹に対する治療薬の候補化合物の同定を行っている。現在、GPCR刺激によるGタンパク質およびβアレスチンシグナルを検出する系を構築した。この系を用いて化合物ライブラリーのスクリーニングを行い、数個の候補を絞り込んだ。今後、同定された候補化合物の構造展開を行う。さらに重症薬疹モデルマウスにおいて改善効果を検討し、低毒性のリード化合物の同定を行う。あわせてFPR1を介するシグナル伝達系へのリードの作用機序解析も行う。 FPR1アンタゴニストはネクロプトーシスのシグナル因子の阻害剤に比し、疾患特異性があり、他のネクロプトーシス現象を抑制せず、副作用も少ないことが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GPCR刺激によるGタンパク質およびβアレスチンシグナルを検出する系を構築し、この系を用いて化合物ライブラリーのスクリーニングを行い、数個の候補を絞り込んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、同定された候補化合物の構造展開を行う。さらに重症薬疹モデルマウスにおいて改善効果を検討し、低毒性のリード化合物の同定を行う。あわせてFPR1を介するシグナル伝達系へのリードの作用機序解析も行う。
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Research Products
(4 results)