2016 Fiscal Year Annual Research Report
Radiosensitization based on intracellular redox control in cancer stem cells
Project/Area Number |
15H04904
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
近藤 隆 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (40143937)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田渕 圭章 富山大学, 研究推進機構 研究推進総合支援センター, 教授 (20322109)
松谷 裕二 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 教授 (50255858)
小川 良平 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (60334736)
趙 慶利 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (90313593)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 酸化ストレス / スルファサラジン / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
スルファサラジン(SSZ)は古くは潰瘍性大腸炎の治療に使われていたが、シスチン・トランスポーター(xCT)を特異的に阻害する作用があることが報告されている。シスチンはグルタチオンの構成成分であるシステインが2個結合したアミノ酸で、シスチンが細胞内に取り込まれると、システインに変換され抗酸化グルタチオン(GSH)を合成する材料になる。従ってxCTの阻害剤であるSSZを投与すれば、がん細胞内のGSH濃度が低下し、酸化ストレスに対する抵抗性が低下するので、抗癌剤や放射線治療が効きやすくなると推測される。特に癌幹細胞のCD44vはxCTの働きを高めGSH合成を促進、酸化ストレス抵抗性を上げることが知られ、xCTは治療抵抗性克服の一つの標的と思われる。大気圧プラズマは照射すると特に液中に大量の活性酸素種(ROS)を生成することが知られ、がん治療への応用も研究されている。そのため、細胞内に直接ROSを生成する放射線との比較は放射線の間接効果の寄与を考える上でも重要と思われる。そこで本研究では、放射線および大気圧プラズマ誘発アポトーシスに与えるSSZの影響について検討した。 実験にはヒト白血病細胞Molt-4を用いた。大気圧プラズマ照射実験に際しては、NUグローバル社製のHeプラズマ発生装置を用いた。照射容器として24穴培養プレートを用いて、上方より通常は1分間照射した。X線照射は常法に従い行われた。線量はHeプラズマ1分照射と同程度のアポトーシスを誘発する2 Gyを用いた。アポトーシスについては、細胞膜表面上へのフォスファチジルセリンの発現DNA断片化、形態変化、関連タンパク質の発現等を指標に検討した。CCK8を用いた全細胞死、細胞内ROS生成についても調べた。 SSZ併用群はX線照射あるいはHeプラズマ処理群に比べて、用いたアポトーシス関係の指標では同様の増強効果を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果は出ているが、癌幹細胞の樹立は困難であるため、羊膜由来の樹立細胞で幹細胞の特性を探る方向で検討している。
|
Strategy for Future Research Activity |
スルファサラジン(SSZ)の効果については、xCTを発現してる癌細胞について検討する
|
Research Products
(10 results)