2016 Fiscal Year Annual Research Report
神経系腫瘍幹細胞を標的とした重粒子線と抗VEGF抗体併用の有効性
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15H04909
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
長谷川 正俊 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50251111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 絵美子 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (00596950)
大野 達也 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 教授 (10344061)
井上 和也 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (20596952) [Withdrawn]
若月 優 自治医科大学, 医学部, 教授 (40399449)
若井 展英 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (50745338)
三浦 幸子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60597095)
八巻 香織 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (50789881)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経系腫瘍 / 幹細胞 / CD133 / p53 / 血管 / VEGF / 炭素イオン線 |
Outline of Annual Research Achievements |
in vitroの検討:二次元におけるグリオーマ培養細胞(U-251 MG)にX線照射を行い、X線1, 2, 4Gy照射後のday1~day3に上清を回収し、VEGF濃度をELISAで測定して、腫瘍細胞から分泌されるVEGF濃度の検討、mRNAの検討、さらに抗VEGF抗体(Ab00715-10.3, ABA)による腫瘍細胞の増殖抑制の検討を行った。これまでの検討では、グリオーマ細胞は恒常的にVEGFを分泌していることが示唆されたが、放射線照射後でも、残存細胞におけるVEGF分泌能力、mRNAレベルの転写量には影響がほとんど認められなかった。また、抗VEGF抗体による明らかな増殖抑制も認められなかった。 in vivoでの検討:p53野生型の上衣芽腫およびp53変異型の膠芽腫をヌードマウス皮下に移植して、①:抗VEGF抗体Bevacizumab(Chugai) 20mg/kg、②:炭素イオン線(290MeV/u, 6 cm-SOBP,NIRS) 2Gy, 16Gyの1回照射、③:①及び②の併用を行ない、治療後の増殖遅延の評価、照射から6時間、48時間、6週間後の組織(フォルマリン固定,パラフィン包埋切片)におけるH.E.染色およびCD133, CD44, Nestin, PTEN, p53, Ki-67, GFAP,内皮細胞マーカーCD31等の免疫組織化学を実施している。これまでの検討では、抗VEGF抗体単独では有意な増殖抑制を認めていないが、さらに検討が必要である。併用効果の詳細については解析中ある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
移植後の腫瘍の一部の生着、増大がやや不良であったのに加えて、炭素イオン線照射後のマウスの一部が早期に死亡したこともあり、当初の計画に比してやや遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施してきたin vitro、in vivoの実験の解析をすすめる。特に遅延していたin vivoの実験については、追加移植した腫瘍について同様の検討を行い、さらにRNA安定液内に保存中の腫瘍とともにcDNAアレイ解析も行う。 解析結果をまとめて学術大会で発表し、論文を作成する。
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Research Products
(1 results)