2016 Fiscal Year Annual Research Report
異種-脱細胞化組織骨格の再細胞化による、再生気管、再生肺の移植研究
Project/Area Number |
15H04944
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
土谷 智史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (30437884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 英司 自治医科大学, 医学部, 研究員 (00245044)
李 桃生 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50379997)
永安 武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80284686)
樋上 賀一 東京理科大学, 薬学部生命創薬科学科, 教授 (90253640)
秋田 定伯 福岡大学, 病院(医学系), 教授 (90315250)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肺再生 / 気管再生 / 再生 / 肺 / 気管 / 組織工学 / 移植 / 異種移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
脱細胞化、再細胞化の技術を使った再生臓器は、心臓、肝臓、肺等で、一時的に機能を持つことが証明され、将来の移植医療への応用が期待されている。この研究の最終目的は、異種の臓器を使ってヒト臓器を創出することであるが、異種の組織骨格を利用した移植研究はなされておらず、生着するか否かも全く分かっていない。本研究は、1)異種の肺、気管脱細胞化骨格の再細胞化、及び移植技術を確立することを主目的とする。そのため、同種の組織骨格の結果と比較検討する。また、2)気管に関しては、異種の組織骨格と自己の細胞を使用した再生気管の、臨床応用への可能性を探ることを目的とする。 そのために、基礎研究として、I)脂肪幹細胞による血管内皮再細胞化肺の成熟、II)組織マトリックス内の糖蛋白α-galの脱細胞化による影響を測定した。また、本研究としてI)異種組織骨格-肺移植(ドナー肺の脱細胞化とレシピエント細胞による再細胞化)、II) 異種組織骨格-気管移植(ドナー気管の脱細胞化とレシピエント細胞による再細胞化)を行った。 結果として、基礎的研究では、ラット肺に脂肪由来幹細胞と血管内皮細胞を生着させたところ、脂肪由来幹細胞は、生着後周皮細胞への分化を示し、移植後の肺胞内出血は減少した。また、脂肪由来幹細胞群では、内皮細胞のみで再細胞化した群に比べ、培養16日目での内皮細胞の減少は優位に軽減していた。ラット脱細胞化組織骨格内では、α-galは著明に減少していたが、ブタ脱細胞化組織骨格内では明らかに残存していた。本研究では、モルモット脱細胞化組織骨格をラットの肺上皮細胞で再細胞化し、ラットへ同所性肺移植を行った。免疫抑制下にラットは生存し、組織を採取して検討中である。またブタ脱細胞化気管支組織骨格をラットの同系間葉系幹細胞で再細胞化し、ラットへ気管移植。ラット脱細胞化気管組織骨格との比較検討を行っている
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
異種器官を移植する場合、組織のサイズや位置のずれによって、移植手技が難しい。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き実験手技、特に手術手技を改善していく。
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Research Products
(6 results)