2015 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖模倣ペプチドIF7による腫瘍標的抗癌剤の研究開発
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15H04982
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
杉原 一廣 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00265878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 浩雄 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (10432212)
柴田 俊章 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (50529568)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | DDS型抗腫瘍薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、腫瘍血管表面に特異的に発現するAnnenxin 1(Anxa1)を標的とした糖鎖模倣ペプチド「IF7」を発見した。IF7は、SN38と組み合わせることで腫瘍特異的に集積し、かつ優れた抗腫瘍効果を示した。しかし、抗癌剤SN38は、その特性である難溶性の課題があり、製剤化に更なる工夫を必要としている。よって、本年度は、SN38より溶解性に優れた既存の抗腫瘍薬剤とIF7をconjugateし新規DDS型分子標的治療薬を合成した。新規に合成・開発したDDS型抗腫瘍薬の抗腫瘍効果は、婦人科腫瘍細胞にルシフェラーゼを形質導入し Xenogen IVIS 200 Imaging System で定量的に検証中である。さらに、合成した新規DDS型抗腫瘍薬の副作用の有無についても検討を進めている。 また現在、治療が極めて困難である脳腫瘍に対してIF7-抗腫瘍薬が有効である可能性が高いため、脳腫瘍モデルマウスを作成し、抗腫瘍効果の判定を準備中である。 IF-ペプチドとAnnenxin 1との相互作用の検証に関しては、悪性腫瘍血管内皮血流側に存在するAnnenxin 1とIF-ペプチドが強固なアフィニティを示すことを確認する目的で、分子相互作用を計測可能なIAsysを用い結合常数を測定した。さらに蛋白質-ペプチド間の相互作用の強さをITC(Isothermal Titration Calorimetry)法により評価し多量体か単量体かの検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、SN38の難溶性がもたらす薬剤としての弱点を克服すべく、より溶解性に優れた既存の抗腫瘍薬剤とIF7をconjugateし新規DDS型分子標的治療薬を合成することに成功した。 また、IF-ペプチドとAnnenxin 1との相互作用に関して有効な情報を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
既存の薬剤と新規に開発・合成したDDS型IF7-抗腫瘍薬との抗腫瘍効果の検証(単剤投与や併用投与)を進める。さらに、脳腫瘍モデルマウスを作成し、現在治療が極めて困難な膠芽腫に対しての治療効果を検証・確認する。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] ペプチド創薬2015
Author(s)
杉原一廣
Organizer
第2回中日本産婦人科セミナー
Place of Presentation
ホテル森の風立山、富山
Year and Date
2015-07-04 – 2015-07-04
Invited