2015 Fiscal Year Annual Research Report
金属アレルギーの感作機序の解明とそれに基づく戦略的治療法の開発
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15H05028
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
市川 哲雄 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (90193432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 恵 徳島大学, 大学病院, 講師 (40380050)
石丸 直澄 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (60314879)
南 憲一 徳島大学, 大学病院, 医員 (60732914)
水頭 英樹 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (70732915)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 金属アレルギー / ケラチノサイト / 樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケラチノサイトをニッケルやコバルト,クロムで刺激し,形態変化,細胞骨格の変化を観察した.培養上清中に金属を加えた24時間後と48時間後に抗ファロイジン抗体で染色し,ケラチノサイトのアクチン骨格を観察したところ,対照群と比較して著明な変化を認めなかった. ケラチノサイトが樹状細胞の抗原認識に何らかの影響を与えているか否かを検討するために,ケラチノサイトと樹状細胞を共培養する実験を行った.まず,ケラチノサイト培養上清中にニッケルを加えて24時間培養した後,培養液を交換してケラチノサイトと樹状細胞を共培養した.48時間後,樹状細胞を回収して解析した結果,樹状細胞上でMHCクラスIIの発現増強を認めた. また,この樹状細胞を正常マウス腹腔内に移入し,2週間後,マウスの耳介にニッケルを投与してアレルギーの発症の有無を検討した.これは我々がこれまでの研究で用いてきた方法を応用したもので,オリジナルは,ニッケルを腹腔内に投与して感作し,2週間後に耳介皮下にニッケルを再投与してアレルギーを惹起させる方法である.ニッケルの皮下投与48時間後に耳介の厚さを測定したところ,対照群と比較してマウス耳介に腫脹を認め,マウスがアレルギーを発症していると確認された. また,上記実験と並行して,徳島大学附属病院でパッチテストを施行し金属アレルギーと診断された患者の病理組織標本を用いて,スクリーング的に免疫染色を行った.その結果,上皮細胞にTSLPの発現を認めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ケラチノサイトと樹状細胞に関する研究は当初の予定以上に進んでいる.一方,樹状細胞内に金属そのものが取り込まれているか否かの確認実験は,現在まだ条件検討中である.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は走査型電子顕微鏡を用いて,金属を加えた後の樹状細胞内部を観察する.また,本年度得られたin vivo実験プロトコールに従い,金属アレルギー発症マウスのより詳細な解析を行う.
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Research Products
(2 results)