2015 Fiscal Year Annual Research Report
骨置換型炭酸アパタイトに適したマクロ連通孔デザインの構築
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15H05035
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
都留 寛治 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50314654)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生体材料 / 骨補填材 / 多孔体 / 骨組織再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
顆粒の連結による多孔体化については、リン酸水素カルシウム二水和物の析出反応を利用して炭酸アパタイト顆粒を連結させる方法とα型リン酸三カルシウム顆粒を焼結して連結させる方法を検討した。前者の手法においては、リン酸カルシウム溶液と炭酸アパタイト顆粒が反応する際に炭酸ガスが発生するため、外部から圧力を加えて炭酸アパタイト顆粒同士を近接させること、顆粒間隙へのリン酸水素カルシウム二水和物の析出による気孔率低下を抑えるために反応溶液量を制御することが多孔体化の技術要素であることが分かった。また、リン酸水素カルシウム二水和物の形成量が増加するにつれて炭酸アパタイト顆粒連結多孔体の強度が向上した。後者の手法においては、顆粒同士を近接させ1300℃で焼結すると強度の高いα型リン酸三カルシウム顆粒連結多孔体が得られた。 一方、繊維状気孔形成材による多孔体化については、気孔形成材として20-300μmの径を有する長さ2mmのNylon6繊維を用い、粉部にはβ型リン酸三カルシウムもしくは石膏を用いた。石膏は硬化性を有するため気孔形成材との複合化が簡便で、且つ焼成により多孔体化した後も比較的強度の高い多孔体が得られたため、今後は主として石膏を用いた多孔体化および炭酸アパタイトへの組成変換を進める。 現時点で得られた多孔体前駆体はいずれも連通気孔構造を有しており、ラットおよびウサギの頭蓋骨に形成した骨欠損への埋入により、連通気孔構造内部に組織が進入されることを基礎的に確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に比べ若干の変更はあるものの、ほぼ当初の計画通り、順調に多孔体化を進めている。また、先んじて前駆体多孔体の骨組織への埋入実験を行い、気孔内に組織が進入することを既に確認済みである。但し、ラットの頭蓋骨は厚みが限定的で有り、顆粒の圧接が困難であることが判明したため、埋入動物や埋入箇所を変更する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた前駆体多孔体について、炭酸イオンを含む溶液中における溶解析出型反応により炭酸アパタイトへの相変換を検討する。得られた多孔体を用いて、多孔体内部への細胞の進入性や生育性を評価する。ラットの頭蓋骨は厚みが限定的で有り、顆粒の圧接が困難であることが判明したため、ウサギ大腿骨顆部への埋入・評価についても同時に検討を進める予定である。
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Research Products
(6 results)