2015 Fiscal Year Annual Research Report
強力な骨形成タンパクBMP-9と脂肪組織由来細胞を活用した新規再生療法の開発
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15H05036
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野口 和行 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (90218298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白方 良典 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (60359982)
中村 利明 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 講師 (60381183)
瀬名 浩太郎 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (60701117)
迫田 賢二 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (70419654)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | DFAT / BMP-9 / 歯周病 / 骨組織再生 / 歯周組織再生 / 細胞移植 / 培養上清 / 再生療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では脂肪組織由来の脱分化脂肪細胞(De-differentiated fat cells: DFAT)に着目し、細胞の分化制御因子としてBMP-9とFK506を併用することで、歯周組織再生および顎骨再生への新規治療法の開発を目的としている。本年度は、ヒトの頬脂肪体より脂肪組織を採取し、ヒトADSC(hADSC)とヒトDFAT(hDFAT)の分離培養を行い、以前分離培養していたヒトMSC(hMSC)を含め、その骨芽細胞様分化能を比較評価したところ、骨分化培地においても、BMP-9とFK506の共刺激においても、hADSC, hMSCと比較し、hDFATで著名なALPの上昇が認められた。更に、in vivoにおいて、BMP-9とFK506で共刺激したDFATの骨欠損での骨形成能については十分な検討が行われていないため、ラットDFAT(rDFAT)と乳酸・グリコール酸共重合体/ハイドロキシアパタイト複合体(PLGA/HA)を用いて、ラット頭蓋骨欠損における骨形成効果について検討した。コントロール群、PLGA/HA群、PLGA/HA+rDFAT(OD)群、PLGA/HA+rDFAT(BMP-9)群、PLGA/HA+rDFAT(BMP-9+FK)群の5群に関して移植を行い、マイクロCTを用いた3D構築による放射線学的観察にて比較・評価したところ、移植後8週においては、PLGA/HAの著名な残存が認められ、PLGA/HA+rDFAT(BMP-9)群、PLGA/HA+rDFAT(BMP-9+FK)群で骨欠損の辺縁から中央部にかけて新生骨の形成が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、概ね順調に遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
①抗体アレイを用いて、rDFAT培養上清中における多数のサイトカインの発現を網羅的に解析する。②ラット頭蓋骨欠損におけるrDFAT培養上清の骨形成効果の検討を行う。
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