2015 Fiscal Year Annual Research Report
口腔がん関連microRNAの総合的機能解析と新規治療法の探索
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15H05038
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武川 寛樹 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80173558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳川 徹 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10312852)
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241827)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | microRNA / 口腔がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は口腔がん組織および口腔がん由来細胞株におけるmicroRNAの発現を網羅的に解析し、双方の結果から癌抑制型microRNA(Tumor suppressor microRNA)と癌促進型microRNA(onco-microRNA)の絞り込みを行った。さらに口腔がん組織はリンパ節転移の有無により2群に分類し両者の間でのmicroRNAの発現の違いを解析し転移に関わる可能性のあるmicroRNAを抽出した。この結果、リンパ節転移のある組織でそれがない組織と比較して有意に発現低下を認め、リンパ節転移の制御に関与する可能性のあるmicroRNAの1つとしてmicroRNA-205(miR205)を同定した。miR205の発現は口腔がん組織検体(77検体)および転移性、非転移性細胞株でRT-PCRで測定し網羅的解析と矛盾のない結果を得た。次に、「Target Scan」というデータベースをもとにmiR205の塩基配列との相補性から標的となりうる遺伝子を検索した。抽出された複数の標的遺伝子の候補のうち上皮系がん細胞の浸潤に関わる「上皮間葉転換(EMT)」に関連する遺伝子とされるZEBを分析対象とした。 miR205とZEBの関連の有無を検証するため、転移性口腔がん由来細胞株(HSC3)を用いてmiR205の強制発現およびノックダウンによる両者のmRNAレベルの発現変化をRT-PCRにて測定した。結果はmiR205の強制発現によりZEBの発現はコントロール群と比較して有意に低下していることが確認された。さらにZEBが転写因子として作用するE-cadherinに関してはZEBとは逆相関の関係で発現の増加が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GFP導入口腔がん細胞株作製に関しては条件設定等で時間を要しているため、予定より多少の遅れはある。しかしその他の課題に関しては、ほぼ研究計画通りに進行していて順調な進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今回同定できたmicroRNA-205に関する機能解析を進めていく。具体的にはmiR205のmimicやinhibitorを転移性/非転移性口腔がん細胞株に導入して形質転換を行い、それに伴う増殖能・浸潤能の変化を測定し、miR205の機能解析を行う。同時に今後in vivoでの機能解析を行っていくにあたりGFP導入口腔がん細胞株作製を行っていく。
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Research Products
(1 results)