2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規頭頸部癌分子標的治療薬セツキシマブに対する耐性機構の解明と克服治療薬の開発
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15H05039
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小河原 克訓 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (20372360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹沢 秀樹 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50236775)
中嶋 大 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50431747)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | セツキシマブ耐性 / PLAUR |
Outline of Annual Research Achievements |
先行実験で、親株(Sa3, SAS, HSC-3)から誘導して既に独自に樹立したセツキシマブに対する3組の感受性細胞株と耐性細胞株を用いてその耐性メカニズムを検討し、耐性克服薬を開発することを目的としている。まず、3組(親株と耐性株)の各組み合わせにおける遺伝子発現状態をマイクロアレイにより網羅的に解析した。マイクロアレイ解析において、耐性細胞株中において感受性細胞株中よりも発現増強または減弱している遺伝子を耐性候補遺伝子として検索同定した。マイクロアレイにおいて検索同定した候補遺伝子について、real time PCR法を用いて各細胞株におけるmRNAレベルでの発現状態を調べ、マイクロアレイの結果との相同性を確認した。さらに、マイクロアレイ解析の結果とreal time PCR法の結果の両方において、発現傾向が一致している遺伝子に関して、絞り込みを行った。どちらの解析法においても3組全てにおいて共通に発現亢進している遺伝子として、発現が強いものから、LEPROT、PHF15、PLAUR、MORN4、DDRGK4、ARRDC4、CD44、HLA-A、LAMC2の9種類の遺伝子を選択した。また、マイクロアレイ解析において3組全てで発現亢進しているが、real time PCR法においては2組だけで発現亢進した遺伝子として、発現が強いものからTXNIP、NEDD9、OSMIR、NEAT1、MPRIP の4種類を選択した。さらに、これらの遺伝子群に関する絞り大身を機能の面から行った。具体的には、遺伝子パスウェイ解析を行い細胞増殖、アポトーシスに関与する4遺伝子(PLAUR、ARRDC4、TXNIP、OSMIR)について着目した。その中でも、EGFRとの関連性が報告されているPLAURを耐性第一候補遺伝子とした。 今後、shRNAを導入し安定細胞株を樹立した後、セツキシマブに対する薬剤耐性がどのように変化しているかをin vitro でMTS assay 等により評価していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた研究計画には十分到達することができた。またこれまでの研究成果は次年度以降の研究計画に大きく寄与できる内容であり、本年度の実績としては順調に進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に同定した耐性候補遺伝子のshRNA導入を行い、耐性株において安定的な発現抑制株を樹立し、その性質(薬剤耐性の変化)を解析していく。上記に記載した候補遺伝子以外についても引き続き検索・解析を進めていく。いずれも当研究室において蓄積されたデータや、行われてきた実験手法を用いるものであり、スムーズに研究を進めていくことができると考える。
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