2015 Fiscal Year Annual Research Report
レジリエンスエンジニアリングに基づく先取り型思考から導く医療安全行動に関する研究
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15H05063
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
布施 淳子 山形大学, 医学部, 教授 (20261711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新野 美紀 山形大学, 医学部, 助教 (70336452)
田中 聡美 山形大学, 医学部, 助教 (70584316)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 医療安全教育 / レジリエンスエンジニアリング / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療事故は複雑な行程を経るため、その因果関係は他の産業と比較すると複雑である。よって、時間が経つにつれてこのような説明と現実の事象とが乖離するようになってきている。そのため、新たな医療安全対策が既存の対策に次々と追加、もしくは変更されていく。それらが、実際の医療行為の足かせになることや、新たな対策が職員に浸透せず、旧対策が現場で実施されていることが散見される(Safety Ⅰ)。SafetyⅠの安全管理はインシデントや有害事象の数をできる限り少なく抑えることを目的としている。このような対応的な医療安全管理は有害事象の頻度が低く、その頻度が業務に障害が生じたりしない場合はうまく機能するとされている。しかし、対処の容量を超えた場合は、分析に時間を費やし、対応が不十分になったり対処の時間が遅くなったりする。現実的には状況のコントロールを失い医療安全体制が維持できなくなることを意味する。こう言った考え方ではなく、安全をうまくいかないことを防止するのではなく、できる限りうまくいくことを担保する(Safety Ⅱ)。この考え方ではシステムが日常的に機能する上で、ほぼすべての活動が望ましい結果に達成する場合にそのシステムが安全であるといえる。安全管理の目的はこの状態を達成し維持するところである。そうした考え方に認識を変えていくことが現場の複雑な行為を補強するシステム構築につながる。その考え方の中心にあるのはレジリエンス・エンジニアリングをとり入れていくことであるとされている。今年度は、このエンジニアリングの考え方を応用して医療安全を研究している文献検討等による情報収集を行った。内容を概観すると医療安全のシステム構築にレジリエンス・エンジニアリングの考えを応用することの有効性を謳っている総説がほとんどであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医療安全を推進していく新たな視点として、レジリエンス・エンジニアリング考えを導入するにあたり、国内外の文献や活動について情報収集を行い、医療現場への活用について考察を深めた。
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Strategy for Future Research Activity |
先に行った情報収集を基に、看護師を対象に看護行為におけるレジリエンス・エンジニアリング的に視点について、附属病院の医療安全活動を通して抽出する。
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Research Products
(1 results)