2017 Fiscal Year Annual Research Report
早産児から1歳までの睡眠発達のディベロップメンタル指標の検討
Project/Area Number |
15H05086
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
江藤 宏美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (10213555)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 早産児 / 睡眠・覚醒 / 睡眠発達 / 行動分析 / 乳児 / ビデオソムノグラフィ / ディベロップメンタルケア / 乳幼児突然死症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまで開発してきたハイブリッドセンシング睡眠評価システムを用いて、早産児から生後1年までの乳児の睡眠録画データを収集・分析し、国内外の乳幼児研究者と協働して、睡眠発達の指標を明らかにすることである。以下の3つの目標を設定した。 1.ハイブリッドセンシング睡眠評価システムを用いて、早期産で生まれた児を対象とし昼夜の睡眠・覚醒データを収集、分析する。2.早期産児の、退院後の家庭環境下における睡眠発達の推移を分析し、その特徴を明らかにする。3.国内外の乳幼児研究者と協働する。 1.32週以降の早期産児を対象とした、毎週24時間の睡眠・覚醒データの収集は、入院中の40人の児の100日分のビデオ収録ができた。このうち複数回データ収録ができた32児の84日分のデータを分析し、睡眠推移を検討した。今年は、早産児の睡眠と関連して、胎動に着目し、静電容量型加速度センサーを用いた胎動記録装置により20週からの5人のデータ収集を開始した。 2. 早期産で生まれた未熟児のフォローアップについて、退院後で生後4週、7週、12週、6か月、9か月、12か月に該当する乳児、第1子を対象とし6児のうち4児が12か月のフォローアップを完了し、6か月までの収録したビデオを分析した。全体的に%Quiet Sleepは増加し、%Active Sleepは減少しており、睡眠は経時的に発達していた。また、生後早期から自己鎮静能力もすでに獲得していた。概日リズムは生後25週で形成されていると考えられた。 3. 睡眠発達や神経発達の指標について、第17回日本赤ちゃん学会、Sleep DownUnder 2017(ニュージーランド)、2nd International Seminar on Global Health(インドネシア)でポスターや口演を行い、国内外の乳幼児研究者と情報交換とディスカッションを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NICU・GCUとの協力体制もほぼ確立し、研究協力者を確保できている。定期的にミーティングを重ね、進捗状況を確認しながら進めている。また、海外の乳児睡眠研究者との交流も始まった。
|
Strategy for Future Research Activity |
対象を初産の第1子とし、NICUに入院した児の録画データ収集によるデータの集積、および睡眠・覚醒の分析を引き続き行う。 録画データの分析は開発したソフトを使用するものと視察判定の両方を行う。また、退院後の睡眠リズムを検討するためのアクチウォッチの自己相関係数の算出も行う。 早産児の睡眠と関連して、さらに20週からの胎動に着目した静電容量型加速度センサーによる胎動記録装置(Fetal Movement Acceleration Measurement)を用いて、データ収集を追加する。
|
Research Products
(6 results)