2017 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のための在宅継続転倒予防プログラムと検知・支援モニタリング方法の開発と評価
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15H05100
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
梶井 文子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40349171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新野 直明 桜美林大学, 自然科学系, 教授 (40201686)
福川 康之 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90393165)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 老年看護学 / 転倒予防 / 高齢者 / 地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、昨年度の成人男女の高齢者疑似体験装備を装着した対象者での転倒予防検知方法(つまずき予測)を想定した検知アプリケーションを搭載したスマートフォンを用いて、平成29年9月2日を初回とした計3回の転倒予防講座を実施し、初回から3ヵ月後、6ヵ月後の追跡調査を行った。対象者に6ヶ月間スマートフォンを使用してもらい検証実験1と介入群の各データの変化を観察した。 1)検証実験1:、実際の在宅高齢者に6ヶ月間使用してもらい反応を試みた。その結果、つまずき以外の動作時(台所で台に接触時の振動や、衣類の上げ下げに関する振動等の躓きとは関係のない動作時)に誤検知が多々あり、「つまずく動作」のみを抽出することが困難との結果が認められたため、平成30年度はどのようなときに誤検知となるのかを確認するようなデータ収集に変更する必要があると考える。 その一方で、高齢者にとってスマートフォンの日々の装着や操作については、順応性が認められ、また毎日のスマートフォンの装着の意識づけが、転倒予防の行動に生かされる結果が認められた。 2)介入研究における介入群に対するデータ収集:研究対象者は19名であったが、期間途中に3名の離脱者があり分析対象者は16名となった。講座は、転倒に関する健康講座3回と理学療法士等による運動講座を組み合わせて実施した。データ収集項目は、転倒回数、つまずき回数、骨密度、体組成、重心動揺、10m歩行時間、開眼片足立ち時間、握力、MMSE、予防行動、日常の運動頻度、転倒リスク(鳥羽によるFRI21)、身体の痛み・関節の動きづらさ、関連疾患、服薬内容等を収集した。3ヶ月と6ヶ月の間に数回、研究者より各対象者に日常における目標の確認をするメール機能を用いたメッセージを送信した。現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
入力したデータ整理が5月上旬に終了し、現在データ分析開始をしている。さらに平成29年度は、スマートフォンを使用し、転倒予防の介入・検知を6ヶ月間実施できた。予定人数は20名であったが、4名の途中脱落者が生じた。脱落の理由は、身体的理由やスマートフォンの使用操作への不安であった。以上から平成30年度では、対象者のリクルートの際に、スマートフォンを使用することを十分に説明する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の結果を分析し、学会等で公表する。 平成30年度は、介入研究における介入群のデータ収集を平成29年度と同様に実施する。具体的な介入方法としては、スマートフォンを装着し転倒検知し、また躓いた時点においては自己申告で研究者に電話で連絡することとする。またスマートフォンを用いて定期的な保健指導を行う。20名の対象者を確保し、脱落が増えないように、対象者のリクルートの際に説明を丁寧に行うようにする。また、共同研究者や分担研究者と協力して介入プログラムである転倒予防講座を実施する。
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