2017 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative study on Care-network and Intimacy of Family
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15H05148
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
宮坂 靖子 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (30252828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 真理 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20242894)
青木 加奈子 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 講師 (30737531)
磯部 香 奈良女子大学, アジア・ジェンダー文化学研究センター, 特任助教 (30786158)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ケアネットワーク / 親密性 / 家族 / ジェンダー / ライフコース / 国際比較 / 社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度においては、以下(1)~(3)の調査研究と、(4)の研究成果の公表を実施した。 (1)学生調査:日本(名古屋市)、中国(大連市)、デンマーク(コペンハーゲン市)において、「大学生のケアとライフコースに関する意識調査」を実施した。回収票は、日本874票、中国744票、デンマーク44票であった。コペンハーゲン大学においては、女子学生4人に対するグループ・インタビューも実施した。 (2)デンマークにおける保護者に対するインタビュー調査:2017年11月19日~11月26日にコペンハーゲン市を訪問し、育児中の法律婚カップル1組に対するインタビュー調査を実施した。また、総合託児施設(保育園)2園を訪問し、母親を対象とする質問紙調査実施に対する協力の確約を得、「子育てと家庭生活に関する調査」を2018年2月~3月に実施した。 (3)日本における育児・高齢者介護関係のフィールドワーク:①育児関係:子育て支援のNPO法人による子育てひろば利用者へのインタビュー調査、子育て支援実施行政機関および私立幼稚園へのヒアリング調査を実施した。②高齢者関係:高齢者支援関係の行政機関、認知症カフェへのヒアリング調査、高齢者介護施設の見学とヒアリング調査を実施した。また名古屋市内において高齢者男女に対するインタビュー調査を実施した。 (4)研究成果の公表:第27回日本家族社会学会(2017年9月9日於京都大学開催)において、国際セッション「ケアネットワークと親密性-中国・デンマーク・日本を対象とした国際比較からのインプリケーション」(オーガナイザー・司会 宮坂靖子)を実施した。中国から研究協力者2名(李東輝 大連外国語大学教授、鄭楊 哈爾浜師範大学准教授)を招聘し、日本人研究者2名の計4名が研究の中間報告発表を行い、フロアーを含めディスカッションを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度における研究の進捗状況を国(地域)別に示し、最後に全体的な研究の進捗状況をまとめ、残された課題を指摘する。 (1)デンマーク:①総合託児施設を通して育児中の母親に対する質問紙調査を実施した。(ただし、調査票の受け取りと分析は2018年度に行う。)②「大学生のケアとライフコースに関する意識調査」をコペンハーゲン大学において実施した。 (2)中国:①大連市における高齢者に対するインタビュー調査を実施した。②「大学生のケアとライフコースに関する意識調査」を大連市内の6大学で実施した。一方で、③哈爾浜市における育児中の母親に対する質問紙調査と④大連市における高齢者対する質問紙調査は実施できなかった。 (3)日本:①育児中の母親に対するインタビュー調査、②高齢者と介護者に対するインタビュー調査、③「大学生のケアとライフコースに関する意識調査」を実施した。一方で、④育児中の母親に対する質問紙調査は実施できなかった。 以上より、大学生対象の質問紙調査については3ヶ国で実施できたが、育児中の母親に対する「子育てと家庭生活に関する調査」はデンマーク(コペンハーゲン市)のみでの実施となった。育児中の母親に対する日本(名古屋市)、中国(哈爾浜市)での調査の実施が残された主たる課題である。最終年度には、育児中の母親への調査の実施と、大学生の調査の分析・考察を重点的に進める。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究プロジェクトの最終年度にあたる2018年度は、育児中の母親への調査の実施と、大学生の調査の分析・考察を重点的に進める。 主な研究計画は以下の通りである。 (1)母親を対象とした「育児と家庭生活に関する調査」を、日本(名古屋市)と中国(哈爾浜市)において実施する。名古屋市においては、私立保育園、私立幼稚園、子育て支援NPOのひろばへの利用者に対して、哈爾浜市においては、保育施設、母親によるボランティア組織などを通して調査を実施する予定である。また、コペンハーゲン市で実施した調査の調査票を受け取るなどの業務のため、研究分担者1名がデンマークを訪問する。 (2)大学生を対象とした「ケアとライフコースに関する意識調査」のデータベースを完成させ、分析・考察を進める。 (3)研究成果を公表する。本年度は、日本家族社会学会、(一社)日本家政学会家族関係学部会セミナーなどで研究発表を行う。また学会誌、大学紀要等へ論文を投稿する。
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