2016 Fiscal Year Annual Research Report
Field Research for the Construction of the Dictionary of Japanese-Origin Loanwords in Pacific Island Languages
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15H05158
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
Daniel Long 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (00247884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯野 英治 名古屋商科大学, 経済学部, 講師 (50720083)
小西 潤子 沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 教授 (70332690)
中井 精一 富山大学, 人文学部, 教授 (90303198)
今村 圭介 東京医科歯科大学, 教養部, 助教 (00732679)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会言語学 / 言語接触 / 借用語 / 外行語 / 旧南洋諸島 / 意味変化 / 残存日本語 / 日本語習得論 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度ヤップ語の現地調査ができた。本辞典で考えている11言語(パラオ語、チャモロ語、カロリン語、ヤップ語、チューク語、ハワイ英語、ウォレアイ語、ポナペ語、モキル語、マーシャル語、コソラエ語)はほとんどできている。現地調査が残っている主な言語はポナペ語のみである。また2016年度に国際会議を含む複数の学会でこの成果を発表することができた。それはSICRI(国際小島嶼文化学会)、東アジア日本語・日本文化学会、香港の国際会議、そして日本国内の権威と言える日本語学会である。これらの学会ごとに言語学の専門家から役立つアドバイスをもらっている。また、フィールドワークを行なっている調査先では現地の教育関係者からの指摘や要求を受けている。分担者も積極的に研究発表を行なっている。今村圭介がパラオLanguage Commissionのメンバーと共にグアム大学で開催された第35回太平洋多言語多文化学会に参加して、Japanese loanwords in Palauanを発表した。ロングが4月23日に台湾嘉義市國立中正大學で開催された国際学会(NWAV-AP4)で発表を行なった。6月19日に沖縄県立芸術大学で開催された第12回小島嶼文化国際会議)でSemantic Changes in Loanwords Reflecting Micronesian Island Lifestylesという口頭発表を行なった。同じ学会で今村圭介がIsland Pride: Language change and attitudes towards loanwords in Palauanという発表を行なった。そして、分担者の小西潤子はThe Lost Landscape and Soundscape of Saipanと題した発表を同じ国際会議で行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度にヤップ語の現地調査ができたので、主な言語で残っているのはポナペ語のみとなっている。当初は11言語のデータを集めて辞書にするという計画だった。11言語すべてのフィールドワークは難しいが、その主な言語(パラオ語、チャモロ語、カロリン語、ヤップ語、チューク語、ハワイ英語)の現地調査は済んでいる。これからの主な言語はポナペ語だけである。他の言語のデータはそれぞれの辞書を中心にして入力する。またサイパンやパラオといった地域中心部的存在になっているところで教育や仕事のために集めた離島の話者も暮らしている。モキル語、ウォレアイ語などの話者はサイパンやパラオで探すことにしている。結論はおおむね順調にいっているということである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ポナペ語の現地調査を行なった後はデータを分析し、データペースに入力する。またデータのかなりの蓄積(2367単語)ができているとはいえ、その添削と修正が必要である。最終的に日本人向けに『太平洋日本語借用語逆引き辞典』という総合的な辞書を刊行する予定であるが、この本は日本語で引くし、インターフェースは日本語が分かる向けである。なお、フィールドワークを行なっていて感じたのは、パラオ、ヤップなどにおける現地の人の関心の高さである。そこで、現在検討しているのはパラオ語やヤップ語、チャモロ語など主な言語の単語集の刊行である。日本の学者向けの『太平洋日本語借用語逆引き辞典』とまた別に、こうした一般人向けの冊子を出す現地の団体を現在探しているのである。平成29年度に現地調査も続ける予定である。29年度にポナペ語やマーシャル語、コソラエ語などの調査を行なう予定である。多数の島に全て渡るよりも時間と予算を考えるとこれらの言語を話す人でパラオやサイパンで暮らす人を探したそこで複数の言語の調査を一箇所で行なう方向で研究計画を進めている。
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Research Products
(21 results)