2017 Fiscal Year Annual Research Report
An Anthropological Study on Organizing the Network of Care in the Post-welfare Era
Project/Area Number |
15H05174
|
Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
森 明子 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 教授 (00202359)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天田 城介 中央大学, 文学部, 教授 (70328988)
内藤 直樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (70467421)
高橋 絵里香 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (90706912)
岡部 真由美 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (40595477)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 文化人類学 / ケア / 家族 / 市民 / 国家 / 市場 / 共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる本年度は、これまでの成果をふまえてデータを収集し、分析と考察をすすめた。 高齢社会、超高齢社会であるヨーロッパと東アジアでは、福祉や介護の市場化が複雑に進展して、家族関係や生存保障システムに変容をおこし、道徳のゆらぎもみえている。天田は東アジアで、高橋はフィンランドで、森はオーストリアで、その具体的な状況を現地調査で明らかにした。浜田はガーナで、現金経済の浸透がケアの読み替えを引き起こしていることを明らかにした。岩佐はラオスで、未熟な市場経済がグローバルな開発の影響を受けて、国家による家族への直接介入と無関心を混在させている状況を指摘した。 一方、国家の境界領域におかれている難民や移民のニーズは、滞在の長期化にともなって変容する。最低限の生存の希求から、よりよく生きるための資源調達へと展開するそのニーズを満たすために、ホスト社会の国家と住民(旧住民)、移民や難民(新住民)のあいだに何があらわれてくるのか、内藤はアフリカの難民キャンプで、岡部はタイの寺院で、森はドイツの街区で調査した。 調査で得たデータを整理し、ケアを、国家と家族、グローバル経済とローカルな市場、市民道徳と消費者行動、宗教と個人の交錯する動態的な局面においてとらえる議論を深めていった。 その成果を、日本文化人類学会第51回研究大会で分科会を組織して発表し(2017年5月27日、神戸大学)、国際研究集会”Colloquium Thinking about an anthropology of care: A discussion with F. Aulino and J. Danely”(2017年12月9日~10日、国立民族学博物館)を開催して海外研究者と議論した。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(27 results)