2015 Fiscal Year Annual Research Report
中国・ASEAN各国におけるHRM形成プロセスと従業員行動の関係に関する国際比較
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15H05184
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原口 恭彦 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (20343452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 卓己 京都産業大学, 経営学部, 教授 (10440869)
三崎 秀央 兵庫県立大学, 政策科学研究所, 教授 (30312763)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 人的資源管理 / 従業員行動 / 現地適応化 / HRMシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これらアジア各国を対象に、同一資本における進出国による人的資源管理(HRM)モデルの差異を明確化したうえで、労働者の従業員行動を促進するHRMモデルを実証的に解明することを研究目的とするものである。この研究目的を解明するために、「進出国別に見たHRMの標準化と現地適応化の峻別と適応化過程の解明」と「HRMが従業員行動に与える影響に関する分析」という研究課題を設けている。 本年は、研究初年度にあたるため、主に既存研究の検討を中心に行った。「進出国別に見たHRMの標準化と現地適応化の峻別と適応化過程の解明」に関する既存研究の検討においては、個別施策の比較だけで無く、HRMシステムの分類とそれぞれの合理性の説明を試みた諸研究の検討を行った。さらに、HRMシステムが一定の社会ルールや歴史的継続性の制約の下に形成されること、特に一時点における合理性だけではなく、社会によって共有される既存の雇用慣行に強く影響されることなどを既存研究の検討から明確化した。 「HRMが従業員行動に与える影響に関する分析」に関する既存研究の検討においては、 HRMと従業員の心的態度、業績に寄与する従業員行動の関係を特定化すること試みた研究に焦点を当て、検討を試みた。そこでは、雇用方針や教育訓練方針などの施策だけで無く、職務設計や事業戦略なども従業員の行動に影響していることを明確化した。 これらの理論的検討を踏まえ、いくつかの具体的調査課題を設定し、次年度以降の調査に活用することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の所、初年度の研究計画通りの実施を遂行できており、「おおむね順調に進展している」と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、研究課題に即したASEAN各国の調査を実施する。具体的には、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナムを対象に調査を行う予定である。特に大きな問題点は無いが、タイ国の政情不安、ベトナムの政権交代、イスラム圏各国の誘拐などを含めたテロ事件など外部要因の影響を受ける可能性は否定できない。そのような場合は計画を速やかに変更して、調査遂行者の安全と生命を第一に考えた行動をとるよう、事前に危機管理対策を綿密に行う予定である。
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Research Products
(8 results)