2016 Fiscal Year Annual Research Report
EU都市部の衰退地区における「ソーシャル・ミックス」の社会学的研究
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15H05187
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
森 千香子 一橋大学, 大学院法学研究科, 准教授 (10410755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 裕二 駒澤大学, 法学部, 教授 (10253387)
浪岡 新太郎 明治学院大学, 国際学部, 准教授 (40398912)
園山 大祐 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (80315308)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 都市社会学 / EU / エスニシティ / 貧困 / 衰退地区 |
Outline of Annual Research Achievements |
収集資料の分析、ならびに聞き取り調査を通して、a)居住、b)学校、c)市政参加、d)多文化共生の各領域において、ソーシャル・ミックス的な施策がどのように展開されているのかについて、実態の把握と検討作業を進めた。 前半は、前年度末に実施した予備調査のデータ整理(資料整理、聞き取り調査のテープ起こし、諸データの保存ならびに研究者間での共有化作業)と分析作業を行い、その上で夏の海外調査に向けての準備を進めた。また平成27年度の経過をふまえ、海外協力者とスカイプ会議を重ね、テロ事件などが重なり、その余波を受けてソーシャル・ミックス領域で大きな動きのあるフランス調査に比重を大きくすること、またフランスを中心としたヨーロッパの事例を相対化するために北米(米国、カナダ)の事例との比較を重ねていくこと、の二点を新たな課題として確認した。その観点から、米国の事例と共にフランス、スペインの事例に精通するプリンストン大学社会学部のアレハンドロ・ポルテス教授、またフランスと米国の比較研究を行なっているパリ第8大学社会学部のエリック・ファッサン教授に、分析過程において助言を仰いだ。 後半は、現地調査を実施し、そのデータの分析作業を進めた。各自がそれぞれの分担作業を進め、適宜スカイプ会議を開いて、問題点について協議すると同時に、課題の確認・共有を行った。2、3月には第2回目の本調査を行った。 その結果、ソーシャル・ミックスを目指した施策は行われているが、その展開は領域によって異なり、さらに同一領域内においても対象によって実施の度合いが異なることが確認された。具体的には、(1)他の領域に比べて、学校においてはソーシャル・ミックスが「到達目標」としては掲げられているが、実際の施策は極めて限定的、(2)移民集住地域にある学校など、一部の対象にのみソーシャル・ミックスの必要性を訴える傾向がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度に発生した政策転換やフランスの社会情勢により、半年程度の遅れが出ており、その影響が平成28年度にも出ている。だが調査範囲の限定などでひと月程度の遅れを取り戻すことができており、研究計画全体には大きな影響を及ぼすことはないものとみられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に発生した政策転換やフランスの社会情勢により、当初の調査実施計画に対して半年程度の遅れが出たことに加え、比較分析の軸となるはずのフランスにおけるソーシャル・ミックスの定義について予想外の変化が生じたことから、研究分担者、海外協力者と今後の調査の進め方、ならびに方策について協議を行った。その結果、(1)最終年にあたるH29年度は調査対象地域を限定すること(具体的には、ソーシャル・ミックスについて一番動きが大きく、また本研究の内容においても最も比重の大きいフランスに、残りの現地調査を絞る)、(2)北米の先行研究との比較によって調査結果の分析を深めることを、今後の方針として確認した。フランスの情勢は未だに若干不安定な部分もあり、予定通りに調査を実施するのが困難な事態が発生した場合には、調査地の事情に精通している海外協力者とインターネット会議などで緊密に連絡を取りながら、適宜解決策を探っていく。
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Research Products
(19 results)