2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the formation process of the practice reformation type community for 'the social vulnerable class' in South Korea
Project/Area Number |
15H05194
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
三本松 政之 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (10196339)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会的バルネラブルクラス / 当事者 / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、韓国の人権認識に根ざし提起される生活課題を抱えた少数者を、社会的バルネラブルクラスとして捉え、その支援の論理と課題の社会的共有化過程を明らかにすることを目的とした。29年度はソウルで2回の聞取り調査を実施した。かれらの生活権の拡充には当事者主体化の要件、活動基盤となるコミュニティの実態、コミュニティでのエンパワメントを明らかにすることが課題となる。調査対象は性的少数者の社会運動団体と調査実績のある移住生活者の支援団体である。 性的少数者の親の組織では親が活動家となる主体化の契機は、当事者である子のカミングアウトを受けコミュニティに参加し差別の深刻さを理解することにあるが、活動家となるには時間を要していた。20年を超える活動実績を持つゲイ団体は活動を通して人権の拡大を図ってきているが、事務所のあるソウル市鍾路に形成された当事者コミュニティが、地域的なまとまりをもった空間として自由な出会いの機会を提供し、団体活動とは別の形で当事者のエンパワメントに繋がっていることが明らかになった。文化的活動を通し性的少数者の社会的認知を図っている団体は、イベントを活用し社会的啓発を進め、また商業施設等を伴う拠点建設を構想し新たなコミュニティ形成を企図していることを把握できた。 民主化闘争経験者が創立し、人権意識に基づく地域に根差す活動として外国人移住労働者、結婚移住女性等への支援活動を行っている団体は、地域に根付くことで異なった生活課題を抱えた主体間での相互支援や当事者間のエンパワメントを実現していた。また結婚移住女性団体は、韓国人支援者が活動から離れたことで経済基盤が弱体化し拠点を移すなど活動を縮小したが、当事者によるエンパワメント活動を継続していることが確認できた。これらの成果は当事者の権利獲得へのエンパワメントにコミュニティの存在が深く関わっていることを確認した点で意義がある。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)