2016 Fiscal Year Annual Research Report
球状Feコンクリーションの形成と元素移動に関する応用地球科学的学術調査
Project/Area Number |
15H05227
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 英一 名古屋大学, 博物館, 教授 (30324403)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城野 信一 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (20332702)
丸山 一平 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (40363030)
勝田 長貴 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70377985)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 鉄コンクリーション / pH緩衝作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
アメリカ・ユタ州コロラド高原に分布するジュラ紀ナバホ(Navajo)砂岩層中から,酸化鉄(Fe2O3)を主要元素とする数センチ大の球状コンクリーションが確認されている.このような岩石中の酸化鉄は,セシウムやウランなどの放射性元素だけでなく,ヒ素や鉛などの重金属を吸着し,長期にわたって固定する働きを有する.しかし,その鉄濃集プロセスおよび元素固定メカニズムは未だ明らかではない.ユタ州の鉄コンクリーションは,それら元素濃集・固定メカニズムを解明する数少ないアナログ事例である.本学術調査では,その産状や分布を調査し,コンクリーション形成に伴う各種元素濃集・固定のメカニズムを明らかにするとともに,天然の素材(Fe)による放射性元素や重金属等地質汚染元素の除去技術等への応用を目指している.昨年度までは1)ユタ州鉄コンクリーションの現地調査による知見の蓄積を目的に,現地において,鉄コンクリーション産状についての系統的な調査を実施し,採取試料の地球化学的な分析を行った.とくに現地調査では,炭酸塩コンクリーションについての調査も行う.それらの結果を後半に実施する反応実験に展開・応用を行ってきた.昨年度は,さらに鉄コンクリーションvs炭酸塩コンクリーション反応実験解析も行ってきた.また,現地調査及び分析等の結果から得られた形成条件に基づいて,炭酸塩コンクリーションとの相互反応実験を実施し,鉄コンクリーションの形成条件を明らかにするとともに,各種元素移動プロセス,汚染物質吸着・固定に応用可能なメカニズムの抽出を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
アメリカでの現地調査も含め、当初予定した以上の調査試料や調査データの蓄積を行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、最終年度として、関連する地域としての調査(ゴビ砂漠で同様の鉄コンクリーションを我々の研究グループが世界で初めて確認する)を行い、アメリカの資料との比較検討を行う。
|