2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H05241
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川北 篤 京都大学, 生態学研究センター, 准教授 (80467399)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自切 / 病害応答 / センダン科 / バラ科 / 過敏感反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は琉球列島(奄美大島、石垣島、西表島)およびマレーシアのランビル国立公園で野外調査を行い、これまで自切が確認できていた6科の被子植物に加えて、新たに3科の被子植物で自切を発見した。これら9科の被子植物は、系統的にも広範にわたっており、被子植物で自切が広く存在することがわかりつつある。自切を引き起こす菌についてITS領域の配列を用いた同定を行った結果、炭疽病やトマトススカビ病など、植物の葉に広く感染する菌であることが分かった。病斑部位の形態的特徴からも、特定の菌ではなく、さまざまな菌によって自切が引き起こされることは確実である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初は6科の植物でしか見つかっていなかった植物の自切が、新たに3科で見つかったことは、当初の期待を大きく上回る特筆すべき成果である。特に、琉球列島で新たに1科の植物が見つかったことは、今後さまざまな操作実験を行うことを考えると極めて貴重な発見である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに自切をすることが分かった植物を用いて、自切をすることが植物による防衛なのかどうかについての検証を行う。具体的には自切される部位をテープなどで固定して植物から切り離されないようにした場合に、葉への菌の感染率がどう変わるかを明らかにしていきたい。
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Research Products
(7 results)