2016 Fiscal Year Annual Research Report
Prediction of paddy rice production risk in 100 years of weather and water resources in northeastern China
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15H05256
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 晴彦 山口大学, 創成科学研究科, 教授 (40263800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 秀峰 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (30301873)
高山 成 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (40403373)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中国東北部 / 稲作 / 水稲 / 冷害 / リスク / 気候変動 / イネ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度に構築した中国東北部の100年間にわたる気象データセットを基に、稲作期間(5月~10月)における気温変動についての解析を、緯度間における気温変動の差異を考慮するため、大連・営口・瀋陽・長春・哈爾浜・斉斉哈爾・孫呉の7地点において行った。いずれの地点でも、1960年台まではほぼ一定もしくは寒冷化の傾向が見られるが、1970年代から現在までは大連から長春では約1.0℃、哈爾浜から孫呉では約1.3℃と、北進するにつれて平均気温の上昇が確認された。また、水稲栽培の北限とされる北緯50°に近い孫呉では、緯度差10°の大連や緯度差5°でほぼ標高の等しい長春と比較すると、年毎の生育期間の気温較差が大きいことが確認され、高緯度ほど冷害リスクは依然大きいことが示唆された。その一方で、稲作の技術進歩が始まった1980年代と比較して、5月~10月の稲作期間における積算気温は100℃以上も増加しており、温暖化現象により稲作に適した地域へ変化し、気温上昇は低温による登熟障害のリスクも低減させていることが明らかになった。冷温感受性の高い生育ステージである穂ばらみ期に相当する7月1日~20日の低温出現日数を年毎に抽出し、障害型冷害の解析のために閾値を日最低気温16℃と設定し、長春・綏芬河・牡丹江・哈爾浜・富錦・斉斉哈爾・海倫・孫呉の8地点で解析を行った。1970年代からの出現日数は富錦を除く地点で2~5日間程度減少しており、高緯度地域ほど傾向が大きいことが示された。このことは、穂ばらみ期における低温日数が減少していることを意味し、収量の減少に大きく影響する障害型冷害のリスクの低減に温暖化現象が寄与していることが示唆された。また、リモートセンシングを用いた冷害予測、冷害発生リスク予測モデルの構築も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
吉林省での気象・水文観測システムの観測も含め、平成28年度に目標とした課題をおおむね達成していることから、調査研究は「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に構築した冷害発生リスク予測モデルを用いて、黒龍江省における地域別の冷害発生リスクの検討を行う。さらに、この結果に基づいて三省の主要な水稲栽培地における減収リスクの予測モデルを構築し、マップ作成による見える化を行う。最後に、日中の研究者により共同で実施された3年間の調査研究の成果を取りまとめ、学会等で公表する。
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