2015 Fiscal Year Annual Research Report
体高がわずか91cmしかないマメ牛を含むバングラデシュ在来牛の保全遺伝学的特徴
Project/Area Number |
15H05258
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高須 正規 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (00503327)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 康弘 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20333552)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 在来牛 / バングラデシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,バングラデシュにおいて,127頭の牛からDNAを採取できた.その内訳は,在来牛であるNorth Bengal Greyから32サンプル,Non-Descript Deshiから63サンプル,Indian Zebuから6サンプル,交雑種から23サンプル,その他,ネパール種から1サンプル,シャヒワール種から2サンプルであった.これらのDNAの抽出は,共同研究施設の設備が充分とは言えなかったため,困難を伴った.このため,精度の高いDNAは97サンプルに留まった. これまでの文献で,バングラデシュ在来牛は体高が95㎝以下であると言われてきたものの,バングラデシュ北部のラジシャヒ管区においてはNorth Bengal Greyが99.4㎝(平均2.2歳),Non-Descript Deshiが100.2㎝(平均2.5歳)であった.ここで聞き取りをしてみると,ラジシャヒにおける在来牛は100%純系とは言えない可能性があるとのことであった.ただ,現状では純系か否かを確認する手段はないことから,今後,さらに調査を進め,バングラデシュ在来牛の現状を理解していく必要がある. 得られたサンプルにおける52のマイクロサテライトDNAを解析した.現状では5品種中,2品種のみの解析であったものの,バングラデシュ在来牛は黒毛和種やヨーロッパ種から遺伝的距離が遠いことが確認できた.今後,これに加え,コブウシと比較することによって,バングラデシュ在来牛の遺伝的な位置を確認していく必要があると考えられた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度には2品種からのサンプリングが可能であった.平成27年度は,2度,渡航する予定であったが,バングラデシュ国内の状況から1回の渡航しかできなかった.これは研究の立案時点で想定されていた. 平成28年度には1品種ないし2品種からの採材を加い,平成29年度までにはすべての品種から採材する予定としている.
|
Strategy for Future Research Activity |
進捗状況でも述べたとおり,バングラデシュは国内情勢の不安定性より,研究がスムーズに進まない可能性もある.しかし,これらをすべて考慮した計画を立てているため,現状では順調な経過を示している.平成28年度は,Pabna種,可能ならばもう1品種からの採材を進めたい.ここで,3品種の表現型質の調査ならびにマイクロサテライトDNAなどの基礎的マーカー解析を進め,バングラデシュ在来牛の理解を進めたい.
|
Research Products
(1 results)