2016 Fiscal Year Annual Research Report
顔面皮膚温度を用いた自律神経活動を評価・推定するインタフェースの研究開発
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15H05323
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
水野 統太 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (00337875)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 感性インタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,顔面皮膚温度を用いた自律神経活動を評価・推定するインタフェースの研究開発を目的とする.ヒトのさまざまな状態や状況における感情などの感性の状態を本人に伝達できれば,本人が自分の状態を自覚することにより健康被害やヒューマンエラーを低減することが可能である.ヒトの自律神経はさまざまな状態や状況により変化するが,鼻部周辺の皮膚温度は,この変化を間接的に評価することができる. 本研究では,1.一枚の顔面熱画像から交感神経活動を評価する瞬間型、2.動作中の連続計測を可能にする眼鏡型,3.運転時やVDT作業時の連続計測を可能にする追尾型のインタフェースの開発を目的としている。 平成28年度は、メンタルワークロード(MWL)として暗算計算課題を用いた実験において、1.MWLにより鼻部皮膚温度が低下すること、2.MWLにより口唇皮膚温度が上昇すること、3.MWLによる顔面平均皮膚温度への影響が少ないこと、を明らかにした。 これまでは1のみが明らかにされていたため、鼻部皮膚温度のみの評価方法であったが、本実験により、鼻部へ流れるはずであった血液が口唇周辺へ流れた結果、口唇周辺の温度が上昇した可能性を見出した。そこで、顔面全体の温度変動の新しいアルゴリズムを提案したところ、鼻部皮膚温度のみの評価法より高精度になることを示した。 更に、熱画像から自律神経活動を推定する顔面部分を自動で取得するアルゴリズムを構築した。これにより、オンライン処理の評価を可能にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、顔面皮膚温度を用いた自律神経活動を評価・推定するインタフェースの研究開発として、1.瞬間型、2.眼鏡型、3.追尾型の3つのインタフェースを開発し、これらのシステムをそれぞれ生理学的に評価検証を行うことを目的としており、2年目までの目的であったアルゴリズムの検討、プロトタイプ製作と改良を行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究において、顔面皮膚温度を用いた自律神経活動を評価・推定するインタフェースの研究開発として3つのインタフェースを開発し、これらのシステムをそれぞれ生理学的に評価検証を行うことを目的としいる。 最終年度において、赤外線サーモグラフィと共に連続血圧計などのほかの自律神経活動を評価する生理指標を用いて、開発したインタフェースの検証を行う予定である。
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Research Products
(9 results)