2016 Fiscal Year Annual Research Report
光合成とメタン生成のリンケージ:機能特異分子補酵素F430分析という新手法の展開
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15H05332
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
金子 雅紀 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 主任研究員 (80633239)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メタン生成 / 補酵素F430 / LC-MS/MS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、代表者が開発下メタン生成補酵素F430の超高感度定量分析法を海洋表層水および海底堆積物試料に適用することで、海洋環境におけるメタンの動態を明らかにすることである。 当該年度の研究計画は1)従来分析に用いていた高速液体クロマトグラフ/ トリプル四重極質量分析計の高感度化を行うこと、2)メタン菌の培養実験を行い、F430濃度とバイオマスおよびメタン生成速度との関係性を明らかにすることであった。 高速液体クロマトグラフ/トリプル四重極質量分析計の高感度化においては、従来の高速液体クロマトグラフに対し、ナノフロー液体クロマトグラフを用いることで高感度化を目指した。しかしながら、微少流量下かつアシストガスが無い状態でのイオン化が不安定であることが原因で、分離および検出は可能であるものの、定量分析の再現性が得られなかった。一定期間挑戦しても問題が改善しなかったため、方針を変更し、マイクロ流量での分析でルーチン化を行った。 メタン菌の培養実験に関しては、方針を変更し、より緊急性の高い補酵素F430の分解実験を行った。それにより補酵素F430の現場環境における半減期が極めて短く、原位置のメタン生成ポテンシャルを定量するバイオマーカー分子になり得ることを実験的に示した。 また、統合国際深海掘削計画 (IODP)の第370航海に参加し、室戸沖の掘削調査および試料採取を行った。また、南海トラフおよび外洋の海水試料から補酵素F430を抽出し、検出に成功した。今後更なる分析を進め海洋環境におけるメタン菌の分布と活性を明らかにする。 当該年度中には国際誌による発表1件、国際学会による発表3件、国内発表による発表1件を行い、好評を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高速液体クロマトグラフ/質量分析計の高感度化に課題は残るものの、次年度以降行う環境試料の分析の基盤は整い、順調に進んでいると判断できる。 ルーチン化したマイクロフロー高速液体クロマトグラフ/質量分析計での分析を進めつつ、ナノフローでの分析法開発を今後も続け、マイクロフローで検出できなかったものだけをナノフロ-での分析法確立後に再度分析する方針に変更することによって、当初の計画を遅延することなく遂行可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は海底堆積物や海水試料などの環境試料中の補酵素F430の解析を進め、並行してナノフロー高速液体クロマトグラフ/トリプル四重極質量分析計での分析法開発を進める。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Estimation of methanogenesis by quantification of coenzyme F430 in marine sediments2016
Author(s)
Kaneko, M., Takano, Y., Ogawa, N.O., Sato, Y., Yoshida, N., Ohkouchi, N.
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Journal Title
Geochemical Journal
Volume: 50
Pages: 453
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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