2015 Fiscal Year Annual Research Report
鉛の土壌中金属酸化物への選択的濃縮現象:メカニズムの解明と先駆的浄化技術への活用
Project/Area Number |
15H05337
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 祐麻 山口大学, 理工学研究科, 講師 (00577489)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 土壌汚染 |
Outline of Annual Research Achievements |
鉛による土壌汚染は我が国における深刻な環境問題となっている。そのため、既存技術より高効率で安価な鉛汚染土壌処理技術の開発が望まれているが、新技術の開発には土壌中における鉛の収着形態に関する理解を深めることが不可欠である。 本研究の最終目的は、土壌中に含まれる金属酸化物が鉛を含む重金属類の土壌中挙動に及ぼす影響を明らかにし、その自然現象を活用した新しい土壌浄化技術を開発することである。 本年度は、各種の金属酸化物およびカオリナイトを収着剤として用いて、鉛などの有害物質が金属酸化物に収着するメカニズムの解明を試みた。具体的には、1)バッチ実験による収着性の評価、2)XANESによる収着形態の解析、3)TEM-EDSによるビジュアル的観察、その結果、下記のことが明らかとなった。まず、土壌中に含まれる金属酸化物は鉛などの有害物質をカオリナイトより高効率に収着することが分かった。また、XANESおよびTEM-EDSによる解析により、本実験条件下における固形として析出している鉛の割合を定量的に評価することができた。また、QCM(水晶振動子マイクロバランス)を用いた実験からは有意義な結果が得られなかったが、バッチ実験により速度論的考察を行った結果、今回検討した金属酸化物は鉛の収着は比較的早く、10分以内に平衡に達することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の大きな目標として計画していた「鉛の析出物の化学形態を同定し、さらにそのメカニズムを解明すること」については、ほぼ完了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、 1)金属酸化物表面への析出現象の重要性評価 2)先駆的な土壌浄化技術の提案
を行う。
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Research Products
(2 results)