2017 Fiscal Year Annual Research Report
Quantitaive evalution of dynamic regulation of cancer cell adhesion
Project/Area Number |
15H05351
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
吉川 洋史 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50551173)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | バイオメカニクス / がん / 緑茶カテキン / 細胞接着 / 細胞骨格 / 膜 / 転移 / 光計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年度は、これまでに進めてきたがん細胞のバイオメカニクス研究について、成果発表を見据えて総括的に研究を進めた。その結果、主に以下の3点で成果発表に至った。 (1)緑茶カテキンのがん転移抑制効果の新しいメカニズムを発見した。具体的には、緑茶カテキンが溶液中で凝集体を形成すること、またその凝集体が細胞膜にカチオン-π相互作用や疎水的相互作用を介してリン脂質に物理吸着することで、細胞膜弾性を大幅に増加させることを見出した。これにより、細胞内の生化学シグナルを経由しない、力学観点からのがん転移抑制機構が存在する可能性を見出した。本成果は、Physical Chemistry Chemical Physics誌に責任著者として論文発表した。 (2)菅沼雅美先生(埼玉大学)との共同研究により、がんの軟らかさを維持する分子群の一つとして、AXL受容体型チロシンキナーゼを発見した。また、遺伝子発現抑制、超解像顕微鏡、画像解析を駆使した実験などから、AXLが堅牢な細胞骨格の形成を抑制していることを見出した。本成果は、Scientific Reports誌に原著論文発表したともに、日刊工業新聞にて記事が掲載された。 (3)原子間力顕微鏡を用いて細胞内部の位置ごとの硬さを評価するための、解析アルゴリズムを開発した。本手法を用いることで、緑茶カテキンを始めとする種々のがん細胞を硬化する物質が、どの細胞器官(細胞膜、細胞骨格など)に作用しているかを調べることができることがわかった。本成果は特許申請し、現在論文作成中である。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(23 results)