2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of multi time-scale dynamics in mechanobiological stimulation by impulsive force
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15H05352
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 桂一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00737926)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メカノバイオロジー / 再生医療 / メカニカルストレス / レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,瞬間的な刺激に対する細胞応答を調べるためのシステム開発およびその応答解析を行った. 細胞への刺激を行うシステムは,細胞に応力を加えるカンチレバー,カンチレバーを瞬間的に駆動するパルスレーザで構成される.カンチレバーの長さを変えることで,数マイクロ秒から数百マイクロ秒の時間スケールにおける,ナノメートルオーダーの刺激を加えることが可能である.また,光てこ計測系が組み込まれており,現在のシステムでは27ナノメートルの分解能で微小変位が計測可能である.細胞のディッシュには細胞とカンチレバーの距離を調整するピエゾステージ,温度を37度に保つ恒温器も組み込んである.また,この系に蛍光観察を行うためのイメージングシステムも導入し,ダイナミックな細胞応答を観察することを可能とした. 開発したシステムを用い,細胞への撃力負荷実験を行った.細胞にはHeLaを用いた.加えた刺激は変位300nm,瞬時周波数430kHzとした.刺激直後,一般的なメカニカルストレスに対する細胞応答としてよく見られる細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が確認された.その後,およそ10秒後に細胞内カルシウムイオン濃度は減少し,一度オーバーシュートしたあとベースへと戻った.この結果から,300ナノメートルという微小な変位においても,その刺激が極めて高速であれば細胞が応答することが確認された.一方で,カルシウムイオン濃度の減少の時間スケールがこれまで報告されているものに比べ早く,既存のメカニカルストレス応答がそのまま撃力刺激による細胞応答に相当するか否かはより詳細な検討が必要である. 本研究で開発した,細胞に対して撃力刺激を負荷し,細胞応答をモニタリングするシステムにより,細胞変形が微小でも瞬間的であれば応答することが示された.今後,再生医療における細胞刺激のツールとして研究開発を続ける予定である.
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)