2017 Fiscal Year Annual Research Report
ロボット訓練と非侵襲脳刺激が脳卒中片麻痺の回復および脳可塑性へ与える影響
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15H05359
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
武田 湖太郎 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 准教授 (50618733)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ロボット・リハビリテーション / 感覚障害 / fNIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,脳卒中後の片麻痺に対するリハビリテーションに関し,ロボットを用いた訓練・介入による麻痺改善の効果を検証するとともに,脳機能を評価することで麻痺からの回復の経過と脳活動との関連を明らかにするものである. 昨年度は,上肢のロボットリハビリテーションの効果を,上肢のリーチング運動をアシストするロボットであるMIT-MANUSを用いて調査した.これまでにロボット単体や電気刺激の併用によりリハビリテーションの効果が報告されているが,患者の感覚障害がロボット・リハビリテーションに与える影響は定かではない.そこで本研究では,ロボットを用いた訓練における,感覚障害の有無と麻痺改善量の関係を明らかにすることを目的とした.具体的には,脳卒中後に片麻痺となった患者に1日1時間,週に5日,2週間のロボット・リハビリテーションを行った.重度の感覚障害を発症した3名の患者(重度片麻痺,中等度片麻痺,軽度片麻痺)と,同じ程度の運動麻痺を生じ感覚障害の少ない患者での比較を行うことで,感覚障害を発症した患者ではロボット・リハビリテーションによる麻痺改善効果が少ないことが示唆された. 脳機能計測の側面では,fNIRS計測におけるノイズの問題を解決することを優先させた.具体的には,Spectratech社のfNIRS装置による運動関連領域の測定のため,測定用Probeを安定的に固定するためのヘッドマウントを作成し,これまでに比しノイズを軽減することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
fNIRSによる脳機能測定を安定的に行うためのシステムの整備,および測定用Probeの作成に,想定以上の時間がかかったため,脳卒中患者の脳機能計測まで着手するに至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,脳卒中患者の脳機能計測に着手し,ロボットによるリハビリテーションの効果を,運動機能の側面だけでなく,脳機能の側面から評価可能にする.また,一昨年より進めているロボットリハビリテーションによるRandomized Controlled Trialの結果をまとめ,根拠の質の高い結果としてロボットリハビリテーションの効果を明らかにする.
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Research Products
(3 results)