2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規光応答性シグナル分子によるシナプス記憶情報保存様式の解明
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15H05373
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
村越 秀治 生理学研究所, 脳機能計測・支援センター, 准教授 (90608142)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シナプス / 光操作 / FRET |
Outline of Annual Research Achievements |
光操作可能なシグナル阻害分子やシグナル分子を開発し、個体マウスに応用することが本研究の目的である。平成27年度は、植物の光受容タンパク質キナーゼであるPhototropin1のLOV2を用いて、光操作可能なシグナル分子CaMKII阻害ペプチドの開発に取り組んだ。我々が対象にしたキナーゼ分子の阻害ペプチドを様々なリンカーでLOV2ドメインと融合した。これらの分子の、N末端とC末端にmEGFPとmCherryをそれぞれ融合したFRETセンサーを作製した。これらの分子を、HeLa細胞に遺伝子導入し、2光子蛍光寿命イメージング顕微鏡でFRETを観察することにより、青色光照射によって分子構造が閉構造から開構造に変化するものをスクリーニングした。つぎに、スクリーニングした光応答性阻害ペプチド分子にmCherryを融合したものと阻害相手であるキナーゼにEGFPを融合した分子をHeLa細胞に導入した。これらの、分子間結合が青色光照射によって起こるかどうかをFRET観察により確認した。これらの実験から、光照射によってキナーゼ活性を阻害できる分子をスクリーニングすることに成功した。また、光応答性阻害ペプチド分子の遺伝子を大腸菌に導入し、タンパク質を精製した。これを用いて、光照射依存的にキナーゼ活性を阻害できることを確認することができた。また、様々なキナーゼをHeLa細胞より精製し、光応答性CaMKII阻害ペプチドの特異性を調べたところ、極めて高い特異性でCaMKII活性を阻害することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、光応答性のキナーゼ阻害分子の開発に成功した。当初、開発に2年程度を見込んでいたが、初年度中に開発の目途を付けることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在までに得られた光応答性のキナーゼ阻害分子の特性を調べる予定である。特に青色光照射による阻害効果のレベルや阻害特異性をさらに詳細に生化学的に調べると共に神経細胞への応用を進める。
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Research Products
(4 results)