2016 Fiscal Year Annual Research Report
Basic Research on the Islamic Politico-Theological Manuscripts
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15H05382
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Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
橋爪 烈 千葉科学大学, 薬学部, 講師 (10613862)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スレイマニイェ図書館 / アラビア語神学写本 / イマーム論 / ルトフィー・パシャ / ファーティヒ分類 / アヤソフィヤ分類 / スレイマニイェ分類 / イェニ・ジャーミ分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度前半は昨年度末に調査を断念したトルコでの写本調査を予定し、準備していたが、クーデター未遂事件発生により、再度断念し、イギリス調査に振り替えた。オックスフォード大学付属ボードリアン図書館に所蔵されるアラビア語写本中、イマーム論を含む写本の抽出作業、および倫理学、政治学、神学写本のリストの作成に取り組んだ。研究補助者を一人伴っての作業であったが、ラテン語で書かれた写本目録を用いての作業のため、また写本出納が1日2回程度であったため、現物確認ができた写本はそれほど多くはなかった。同様に、ロンドンにある英国図書館でも行い、同図書館に所蔵されるインド政庁分類の神学写本中のイマーム論を含む写本の抽出も行った。 28年度後半は2月末から3月上旬にかけてトルコ、イスタンブル市スレイマニイェ図書館で従来の調査を継続した。Fatih分類の神学写本690件、Yenicami分類の78件の調査を終え、Ayasofya分類全616件中354件、Suleymaniye分類全167件註109件の調査を終えた。これらの成果はResearchmapの個人ページの資料公開欄に掲載している。今後も調査を継続し、データの更新を行うとともに、他の分類の写本の調査にも取り組む予定である。 また、写本のデータ収集に加え、カリフ論、イマーム論の様々な在り方を調べ、それらの思想的背景を明らかにするために、オスマン朝期のカリフ論の展開について調査を開始し、写本収集に取り掛かった。具体的にはスレイマン1世の大宰相を務めたルトフィー・パシャが執筆した、オスマン朝君主をカリフと見なす論文の収集と読解作業で、この成果を学会にて発表すべく準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トルコの政変による治安悪化のため、28年夏のトルコ、スレイマニイェ図書館での調査を見合わせた。 代替としてイギリス、オックスフォード大学付属ボードリアン図書館およびロンドン、英国図書館での写本調査に切り替えた。両図書館とも写本の現物を閲覧する形での調査となり、パソコン上での調査ではないことから、出納に時間がかかり、頁を捲る等の作業も慎重に行う必要があるため、データ収集に予想以上に時間がかかった。 一人研究協力者を依頼し、両図書館でのデータ収集の補助を行ってもらったが、それでも作業速度の劇的改善は見られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、写本一点一点に目を通し、書誌情報、イマーム論を含むか否か、含む場合の該当箇所、その他写本の所有や来歴などの情報を収集する速度を行うことになる。その速度を上げるため、研究代表者一人でデータ収集を行うのではなく、補助作業者の助けを借りてデータ収集の速度を上げる。
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Remarks |
調査のたびに更新を行っているため、全てのリストが2016年度の調査成果ではない。
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Research Products
(2 results)