2017 Fiscal Year Annual Research Report
サハラ南縁地域をめぐるモラル・エコノミー論的土地制度研究を通じた所有概念の再構築
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15H05385
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
佐久間 寛 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (80726901)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 文化人類学 / 民族学 / アフリカ地域研究 / 土地制度 / 所有 |
Outline of Annual Research Achievements |
5月、研究発表と情報交換を目的に信州大学で行われた日本アフリカ学会学術大会に参加した。また、ニジェール川流域ソンガイ系社会についてのこれまでの研究成果を学術論文2篇にまとめ、漁業民によるカバ狩りを主題とした英語論文"Surrogate of Fear: An Ethnographic Study of Hippopotamus Hunting in the River Niger"を日本アフリカ学会の学会誌『アフリカ研究』に、また農耕民社会における土地制度を主題とした" Who Owns This Land? : A Polyphonic Approach to the Agrarian Regime in Songhai Society (Western Niger)"を日本文化人類学会の英文誌Japanese Review of Cultural Anthropologyにそれぞれ発表した。2018年1~2月、ニジェール共和国の首都ニアメに渡航し、出郷者の住宅問題や、2017年に発生した漁業民による非合法なカバ狩りに関する聞き取り調査を行うとともに、フランスのストラスブールおよびパリにおいて文献資料を収集した。また、近年再評価が進むカール・ポランニーの経済思想を「負債」の観点から再読する研究を進め、その成果である論文「自由と負債:カール・ポランニー2.0の経済人類学」を三田哲学会の学会誌『哲学』に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究成果を英文学術論文2篇として公表すると同時に、その過程であらたに特定された「負債」という主題に関する研究をめぐっても、査読つき学術論文を1篇公表した。また現地調査においては漁業民によるカバ狩りや都市部の土地制度をめぐる新たな知見が得られた。以上の理由から「おおむね順調に進展している」との評価が妥当と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題についての最終年度である2018年は、海外におけるフィールドワークの実施は極力控え、論文や単著による成果公開に力を入れる。
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