2017 Fiscal Year Annual Research Report
サービス移転におけるコンテクスト依存度を考慮したサービスメタモデリングの構築
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15H05396
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 央 京都大学, 経営管理大学院, 特定講師 (70708875)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | サービス科学 / マーケティングリサーチ / コンテクスト / サービス経験メタモデリング / アジャイル型Webアンケート / ToDoリスト活用型ビジネスプロセスモデリング / サービスプログラミング / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究実績を、1. 手法開発、2. 実証研究、3. 研究発表、の観点から 説明する。 1. 手法開発では、前年度に引き続き、サービス提供者側・顧客側双方に対する、実際に実行されたサービスの、各体験のプロセスを記述、また、その各プロセスにおけるコンテクスト(文脈)を解釈可能にするための追加情報(満足度評価やコメント等)を付加可能な、サービス記述・評価モデルの構築・拡張を行った。その特徴は、自然言語による作業手順書(ToDoリスト)の作成に関連付けたデータ入力・レビュー形式を基本とする。データの再利用性を高めるため、サービス提供・利用体験を一種の箱(ブロック)と捉えて、そのような箱単位での取り扱いが可能で、汎用性を高めるためメタモデルの観点からデータ蓄積・活用を行なう。本年度は更に、スマートウォッチといったウェアラブルデバイスでの情報入力・閲覧の基礎的なアプリケーション開発を行った。 2. 実証研究として、顧客側では、本研究で提案するアジャイル型Webアンケートシステムと、従来型のWebアンケートシステムとのデータ取得における効果の差異を得るためのデータ取得を行った。本アプローチに基づき、日本の小売・飲食・宿泊産業における新規的な顧客満足度データの取得を行った。提供者側では、引き続き、日本の江戸前鮨サービス事例を取り上げ、ToDoリストからビジネスプロセスモデリングの構築・拡張を行った。国際比較の観点からは、日本とスロベニアにおける観光事例のヒアリングによる比較調査・ケース分析を行ない、特に観光分野において、複合的なステークホルダーが関与するサービス体験が進んでおり、従来型の一部分の体験だけでなく、複合的なサービス体験としての評価の必要性が示唆された。 3. 研究発表では、国際会議 ICServ2017、国内会議 サービス学会第6回国内大会での発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度では、手法開発において、サービス提供者側のToDoリスト活用型ビジネスモデルや顧客側のアジャイル型Webアンケートの拡張展開、ウェアラブルデバイスの活用、また分析において、サービス経験におけるコンテクストの観点からの場合分け、複合的なサービス経験メタモデリングとしての箱(ブロック)を基準とするデータ管理システム、サービスにおける自動化部分と人対応部分の取り分けの扱いの視点での取り組みは進んだが、それらを基にした査読付き国際論文誌での研究発表に関しては達成できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成30年度では、まず平成29年度で構築した手法・得られたデータを基にした査読付き国際論文誌への論文投稿(1: データ取得手法の拡張について、2: コンテクストを踏まえたサービス評価に関する定量分析について)を行う。論文投稿後、これまでの構築手法を基盤にしたコンテクス依存度を考慮したサービスメタモデリングのパッケージ化と、それによる国際的なデータ比較を行い、本提案手法からのサービス移転に関する知見導出を行う。
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Research Products
(6 results)