2015 Fiscal Year Annual Research Report
縦断研究による自閉症スペクトラムの障害発生機序の解明
Project/Area Number |
15H05398
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
實藤 和佳子 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (60551752)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自閉症 / 社会的認知 / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では幼児期の社会的認知及び関連要因の発達的変化とその個人差を追跡し、自閉症においては生じる臨床的問題との関連も含めて、自閉症の障害発生機序について縦断的かつ実証的に解明することを目的としている。 今年度は、被験者(定型発達児・自閉症児)を募集し、主に4~5歳を中心として、社会的認知発達及び関連要因に関する実験課題・発達検査・質問紙調査を実施した。幼児期は、「心の理論」を含む他者の心的状態の理解が急速に発達する時期であることが報告されてきた。今年度は、情動や模倣、知識に焦点を当て、幼児が自分のおかれた状況に合わせてどのような行動をとるのかについて検討した。その結果、この時期は、①何らかの失敗をしてしまう等の状況において、幼児は罪悪感を示すようになっていくこと、②新たな対象物の操作を学習するうえで、幼児は直接関係がない部分まで模倣することがあるが、全てを自動的に模倣しているわけではなく、対象物に対する行動であれば最終目的と関係ない行動でも模倣すること、③相手の知識に応じて、幼児は嘘をついたり嘘をつかなかったりすること、を明らかにした。これらの知見は学会などで公表した。 こうした能力には個人差があり、「心の理論」の獲得、実行機能、自閉症症状度などによって、上記の行動の観察されやすさが異なることが想定される。今後、個人差の規定因について更に検討を深めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね予定通り、データ収集・分析をすすめられた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更は予定していない。今後も継続してデータ収集をすすめながら、随時そのデータを解析して結果をまとめ、学会などで公表していく予定である。
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[Presentation] 幼児が示す情動反応の発達2015
Author(s)
山口小夜子・礒辺和花・実藤和佳子
Organizer
九州心理学会第76回大会
Place of Presentation
大分県立芸術文化短期大学(大分県)
Year and Date
2015-11-14 – 2015-11-15
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