2017 Fiscal Year Annual Research Report
Methodology of Social Studies Education based on Communication Theory
Project/Area Number |
15H05403
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
田中 伸 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70508465)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | コミュニケーション理論 / 社会科教育 / 教師教育 / Philosophy for Children / ニクラス・ルーマン / 米国社会科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主に以下4点に取り組んだ。 (1)前年度に続き調査を行い、コミュニケーション理論を活用した先駆的な社会科教育プロジェクト、および 実践事例の収集・分析を進めた。その結果、主に対話やコミュニケーションをベースに授業を構成するPhilosophy for Childrenに着目し、米国ハワイ大学を中心に研究・実践が進められている事例を収集・分析した。 (2)(1)の成果を含め、先駆的な実践を行っている米国中等学校を訪問し、子どもの認識調査、および実践の見学/収集・および分析を行なった。その結果、規範的な授業理論やモデルでは授業や学習効果が望めず、子どもが持つ学びのモチベーションを以下に喚起し、それに基づいた教育内容・教育方法の設定の重要性に指摘することができた。 (3)コミュニケーション理論に基づく内容構成論、方法論を体系化した授業理論(モデル)を構築し、当該モデルを用いた中等政治学習の授業を開発し、日米双方の中等学校で実践した。今回は、社会契約論を批判的に読み解き、現代の政治課題や問題を分析する授業を双方で開発し、実施した。 (4)(2)の授業開発・実践結果をもとに、国内学会(全国社会科教育学会全国研究大会)でシンポジストとして登壇し、発表した。また、米国で開催された2つの国際学会(National Council for the Social Studies 2017、及びJapan-U.S. Teacher Education Consortium)にて発表し、国際学会の場で研究成果を検証した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、構築した理論に基づき日米共同で授業開発を行い、日米双方の国での実践を行なった。その結果をもとに、国内学会(全国社会科教育学会)でシンポジストとして登壇し、発表した。また、米国で開催された2つの国際学会(National Council for the Social Studies 2017、及びJapan-U.S. Teacher Education Consortium)にて発表し、国際学会の場で研究成果を検証した。発表した学会は以下である。"The Phenomenology of the Group Dialogue: The Description of the Intellectually Safe Place of p4c in GIFU Japan -new challenge for social studies methodology-"JUSTEC, University of Hawaii, 15, Sep, 2017、”A deliberative pedagogy for teaching social studies in Japan and the USA”, National Council for the Social Studies, 18th, Nov, 2017、「学びのモチベーションを基盤とした社会科カリキュラム論ー働かせる「見方・考え方」の前提を疑うー」全国社会科教育学会全国研究大会シンポジウム、10月28日、2017。
特に米国の国際学会での発表は、次年度に予定していたものであったが、米国共同研究者の参画とともに研究が飛躍的に発展し、予定していた研究計画を1年繰り上げて実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は主に以下4点に取り組む予定である。 (1)前年度に続き調査を行い、コミュニケーション理論を活用した先駆的な社会科教育プロジェクト、および 実践事例の収集・ 分析を進める。その際、米国ハワイ大学及び、英国リーズベケット大学を中心に研究・実践が進められている事例を収集・分析する。 (2) 前年度に開発したコミュニケーション理論に基づく内容構成論、方法論を体系化した授業理論(モデル)を用いた中等政治 学習、及び社会科文化学習の授業を追加で開発・実践する。 (3)国際共同研究加速基金と連携し、英国リーズ・ベケット大学のDr.Michalis Kakosと共に、共同で学校調査を行い、中等学 校の子どもたちが考える社会問題やその解決・調停方法を分析する。 (4) (2)で開発した授業、 (3)で分析した子どもたちの認識調査を基に、日本と英米の中等学校をテレビ会議システムで結び、 同時中継で開発した授業実践を行い、両国の子どもの認識変容過程を実証的に分析する。
|
Research Products
(11 results)