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2015 Fiscal Year Annual Research Report

細胞間コミュニケーションをイメージングする生物発光センサーおよび解析基盤の確立

Research Project

Project/Area Number 15H05488
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

服部 満  東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (20589858)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
Keywordsバイオセンサー / イメージング / ルシフェラーゼ
Outline of Annual Research Achievements

生命が細胞組織的に活動を行う上で, 個々の細胞は, 集団内での位置情報および細胞間での情報の伝達を基にして自身の振る舞いを決定する. このような “細胞間コミュニケーション” の理解は, 組織再生など近年の細胞研究における主要なテーマにおいて不可避である.
本研究では, 発光タンパク質ルシフェラーゼをベースにした高い定量性を誇るタンパク質活性センサーを開発する. 同センサーを用いた生きた細胞集団のイメージングにより, 個々の細胞のタンパク質活性が, 細胞集団全体ではどのように相関をもち展開しているか経時データを取得する. 最終的に, 細胞間コミュニケーションを説明付ける制御モデルを構築する.

本年度は高発光強度のルシフェラーゼを用いて, タンパク質活性発光センサーの開発を中心に行った. センサーの活性検出原理として, ルシフェラーゼ再構成法もしくは, ルシフェラーゼ発光のエネルギーで近傍の蛍光タンパク質を励起する「BRET」の原理を利用し開発した. 使用する高発光強度のルシフェラーゼとしてNanoLucやELucを選択し, 対象とする細胞現象に関与しているタンパク質二分子, もしくは一分子の両端にルシフェラーゼをそれぞれ融合させることで, 発光のON/OFFで活性を検出できるセンサープローブとして確立させた. 具体的な測定対象としてGPCRおよびYAP2タンパク質に注目し, 両者間の相互作用を検出する発光プローブの作製に成功した. プローブを培養細胞に導入して, 細胞密度や各種シグナル刺激剤の添加により, プローブの発光が期待通り変化する事を確認した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の目標として掲げていた 「高発光強度のルシフェラーゼによるタンパク質活性発光センサー」は, これまで原理的には細胞間コミュニケーションの迅速な変化を追跡するツールとして期待はされていたが, ルシフェラーゼの絶対的な発光量が微弱なために実現されなかった課題である.
そこで研究代表者は, 発光強度が格段に高いルシフェラーゼ NanoLucやELucを導入することでこの問題を解決し, 細胞間でのシグナルの定量比較実現に向けて道筋をつけた. さらに, 研究代表者がこれまで用いてきたルシフェラーゼ再構成法の原理の導入, またBRET 法なども検討することで活性のON/OFFに対して変化幅が大きい発光センサーとして確立した. 本年度は同センサーを, 細胞密度やガン化を感知して細胞増殖を制御すると考えられている Hippo シグナルの検出に対して開発したが, さらに応用は可能である. リン酸化などのタンパク質修飾や様々なタンパク質間相互作用といった, タンパク質活性に直接関連するイベントを捉えることが出来る汎用的な原理, 方法として期待できる.
次年度では, 顕微鏡システムの開発を経て同センサーを用いて細胞間コミュニケーションを検出する予定であり, 計画通り研究課題は進展している.

Strategy for Future Research Activity

今後は以下の2つを目標として研究開発を進める.
(1) 各細胞のタンパク質活性をリアルタイムにイメージングする顕微鏡システムの構築
(目的) 細胞間でのタンパク質活性のタイムラグを検出するためには, 一つの視野に複数の細胞が捉えられた状態で, リアルタイムに発光反応を撮影する必要がある. 顕微鏡鏡体, 分光フィルター, 検出機器, データ解析ソフトウェアのセットアップを行い, 発光の強弱を連続撮影にて迅速に捉える観察システムを構築する. (方法) 一般の蛍光顕微鏡をベースにする. タンパク質活性発光撮影用 (複数) , 細胞マーカー蛍光撮影用それぞれに対して分光フィルターを設置する. -80°Cに冷却したEM-CCD カメラを検出機器として設置し, 全ての装置を接続したPC上で, 専用制御ソフトにて操作する. 微細な発光の変化をノイズで邪魔されないよう装置全体を暗箱で囲い, 外部の光を全て遮断する. 複数プローブの発光像撮影 (波長により分光), 蛍光像撮影を繰り返し行い, 複数の細胞の発光変化を経時的に追跡できることを確認する.
(2) 細胞間コミュニケーションの画像化およびパターン変化の解析
(目的) 開発した発光センサーを導入した培養細胞を(1)のシステムで撮影する. 細胞の位置情報および, 細胞間の発光のタイムラグから活性伝播の様式, 速度, 刺激強度との相関を計算する. (方法) 細胞種類, 温度, CO2濃度, 刺激薬剤の濃度, 細胞密度など様々な条件を変えて, 細胞内のタンパク質活性の変化を発光でモニタリングする. 発光が生じた細胞に対して, その周辺の細胞がどのタイミングで発光しているか, 縦, 横, 時間の3次元で座標をプロットする.

  • Research Products

    (7 results)

All 2016 2015

All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results)

  • [Journal Article] Optogenetic activation of axon guidance receptors controls direction of neurite outgrowth2016

    • Author(s)
      Endo, M., Hattori,M., Toriyabe, H., Ohno, H., Kamiguchi, H., Iino, Y. and Ozawa, T.
    • Journal Title

      Sci. Rep.

      Volume: 6 Pages: 23976

    • DOI

      10.1038/srep23976.

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] CRY drives Cyclic CK2-mediated BMAL1 Phosphorylation to control the mammalian circadian clock2015

    • Author(s)
      Tamaru, T., Hattori, M., Honda, K., Nakahata, K., Sassone-Corsi, P., van der Host, G.T.J., Ozawa, T. and Takamatsu, K.
    • Journal Title

      PLOS Biol.

      Volume: 13 Pages: e1002293

    • DOI

      10.1371/journal.pbio.1002293

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 生物発光イメージングシステムを利用した生細胞ハイスループット解析法の開発2016

    • Author(s)
      服部満, 小澤岳昌
    • Organizer
      日本化学会第96春季年会
    • Place of Presentation
      同志社大学 京田辺キャンパス (京都府・京田辺市)
    • Year and Date
      2016-03-24
  • [Presentation] Live cell imaging and in vivo analysis for temporal reaction of G protein coupled receptor using split luciferase complementation2015

    • Author(s)
      Hattori, M. and Ozawa, T.
    • Organizer
      Pachifichem2015
    • Place of Presentation
      ハワイ・ホノルル ワイキキビーチマリオット (アメリカ)
    • Year and Date
      2015-12-18
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Bioluminescence analysis in living cells using NanoLuc luciferase based probes2015

    • Author(s)
      Hattori, M. and Ozawa, T.
    • Organizer
      Pachifichem2015
    • Place of Presentation
      ハワイ・ホノルル シェラトンワイキキ (アメリカ)
    • Year and Date
      2015-12-18
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Imaging system for monitoring of intracellular acidification in living tissues by photo-controllable luciferase2015

    • Author(s)
      Hattori, M. and Ozawa, T.
    • Organizer
      Pachifichem2015
    • Place of Presentation
      ハワイ・ホノルル ハワイコンベンションセンター (アメリカ)
    • Year and Date
      2015-12-16
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 生物発光イメージングを利用したハイスループット解析システムの開発2015

    • Author(s)
      服部満, 小澤岳昌
    • Organizer
      日本分析化学会第64年会
    • Place of Presentation
      九州大学 伊都キャンパス (福岡県・福岡市)
    • Year and Date
      2015-09-11

URL: 

Published: 2017-01-06  

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