2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H05510
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
森井 雄飛 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究員 (50707198)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 反応性数値流体力学 / 詳細化学反応モデル / 炭化水素燃料 / ATF |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模燃焼解析に向けて,申請者が開発したERENAだけでは速度や精度が不十分な可能性のある領域があることが判明したため,高速積分法の開発に注力し,結果としてDual Time Stepping Methodを用いたDTS-CHEM法を開発するに至った.DTS-CHEMの開発により,ERENAを用いた解析が困難であるより硬直性の強い領域に対して,解析速度を向上させることに成功した.DTS-CHEMが得意とする領域は,自動車会社などが一般的に利用する実用解析において実施される条件において,精度・安定性・速度が向上した手法であり,今後広く利用されるモデルとなると考えられる. また,大規模な詳細化学反応機構を用いた数値流体解析を実行するにあたり,反応積分法の高速化だけでは十分ではなく,実行メモリの問題や,解析時間を縮小するため,格子点数の削減が必須であることが分かった.そこで,様々な燃焼モデルを調査することとし,Artificial Thickened Flame method(ATF法)を導入することとした.ATF法を詳細化学反応モデルを組み込み可能な反応性数値流体解析コードに導入し,さらに火炎面にのみATF法がかかるように調整したDynamic ATF法を組み込んだ.結果として,炭化水素の詳細化学反応モデルを用いた予混合燃焼解析において,精度を保持したまま,大幅に格子点数を減らすことが可能となることを示した. 以上,本年度は研究目的達成のために解決が必要な問題点に直面したが,それに対する新規性のある解析手法の構築や,燃焼モデルの組み込みによって解決し,大きく研究を前進することが可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初考慮できなかった様々な問題点を明らかにすることができた.その結果,高速積分法の拡張や最新の燃焼モデルを組み込みを実施し,研究目的に達するために必要な解析コードの大幅なアップデートが可能となった.ただし,検証が十分では無いため,今後十分な検証が必要である.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の目的では想定していなかった問題点に直面したものの,新しい指針を示すことはできた.ただし,検証が十分では無いため,今後の研究計画においても検証を導入せざるを得ない.ただし,高速化は可能となったため,当初の研究計画に比べて,解析規模は小さくなる可能性もあるが,研究目的を達成は可能であると考えられる.そのため,検証をしつつ研究を進めることにより,研究計画を推進していく予定である.
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Research Products
(2 results)