2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H05527
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
若土 弘樹 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00725278)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 電子・電気材料 / メタマテリアル / マイクロ波 / 波形選択性 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来、電磁界研究分野における一般認識として「周波数が固定された場合の各材料の振る舞いは常に一定」と考えられてきた。すなわち、同一周波数上の任意電波に対してのみ散乱または吸収特性を変化させて抽出することは不可能と考えられてきた。これに対して、近年研究代表者らによって開発された新規電磁特性「波形選択性」を有する材料(波形選択メタサーフェス:Waveform-selective metasurface)は同一周波数でも波形、すわなちパルス幅に応じて吸収特性を変化させることを可能にした(参考文献:Wakatsuchi et al., Phys. Rev. Lett., 111, 245501, 2013;Wakatsuchi et al., Sci. Rep., 5, 9639, 2015)。これを受けて、本研究では波形選択性の基礎特性を向上・拡張することを目標としている。また、最終的には動的に制御できる高度な波形選択性を有する無線通信システムの実現を目指す。 2年目となる28年度では波形選択メタサーフェスの構造にトランジスタを統合することで、波形選択性の動的制御を実現した。すなわち、任意に外部電磁界に応じて波形選択特性を操作することを目指した。このメタサーフェスは測定においてその効果を観測することで実現可能性を証明することができた。また、初年度に実施された波形選択性の基礎特性の拡張について、当初計画分は既に初年度で完了していたものの、さらなる成果を得ることができた。具体的には入射方向に応じて散乱特性の異なる、非相反性を有する波形選択性を実現できた。この基礎特性のさらなる拡張によって、波形選択性を一層広範囲の電磁界問題へと適用できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の計画通り、または計画以上の進捗状況となっている。これは2年目までに予定されていた実施内容が完了しているだけではなく、当初の予定にはなかった内容(例:上記非相反性など)も実施・完了できているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、3年目ではこれら開発された波形選択メタサーフェスを用いて通信特性に与える影響について評価する予定である。
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Research Products
(7 results)