2015 Fiscal Year Annual Research Report
超高強度超音波によるコンクリート浅層の微小き裂の非接触非破壊イメージングへの挑戦
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15H05530
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大隅 歩 日本大学, 理工学部, 助教 (40579413)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 強力超音波 / 空中超音波 / 非線形 / 非破壊検査 / 非接触 / き裂 / コンクリート |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績の概要は、大きく4つである。 ①超高強度空中超音波を照射する音源の開発を行った。超音波振動子と骨格となるジュラルミン材、音波反射器用のアクリル材、音波放射用のチタン材から製作する。なお、有限要素法ソフトウェアCOMSOLマルチフィジックスによる有限要素解析やジュラルミン板を用いた施策の段階で十分な高強度の空中超音波が得られたので、当初の予定のチタン板ではなくジュラルミン板を用いて作成した。 ②3軸移動ステージと音源を組み合わせた計測装置の開発を行った。次年度に購入予定であったオートフォーカス機能を搭載したレーザドップラ振動計が前倒し予算申請にて購入することができたので、装置に組み込み、予定より早く完成させることができた。また、計測装置をPCからの制御で全て自動で操作できるプログラムは完成済みで、グラフィックプログラムであるLabviewとの併用により、リアルタイムで計測結果を表示できるシステムとして完成させている。 ③実現場に則したコンクリート浅層の微小き裂を作成した。コンクリート浅層は、むしろセメントや砂利が多いことを考慮してセメントやモルタル試料を作成した。なお、当初薄膜フィルムを挿入して試料を作成することを検討していたが、速乾性のセメントやモルタルを用いて固まるタイミングでフィルムを引き抜くことで、より実際のき裂に近い空隙で作成することができた。 ④上記の実験試料に対して、構築した計測システムでき裂の計測を行った。その結果、き裂をイメージングできることを確認した。また、強力音波に非線形性による振動の高調波成分を利用すれば、より精細にイメージングできることも確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画以上に進展している 本年度の実施計画予定であった以下の4点については順調に達成した。 1つ目として、超高強度空中超音波を照射する音源の開発。2つ目として、3軸移動ステージと音源を組み合わせた計測装置の開発。これは、オートフォーカス機能を搭載したレーザドップラ振動計が前倒し購入することで達成できた。3つ目として、実現場に則したコンクリートの微小き裂の作成。4つ目として、作成した実験試料に対して開発した測定システムで実験を行ったところき裂の検出を確認できた。なお、音響振動練成解析については、実験値との一致に至っていないので引き続き行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、前年度の研究成果を基に以下のように研究を進める。 ①音響振動練成解析と実測値との比較検討を引き続き行う。 ②上記の検討結果をもとに、随時、計測の高精度化、高速度化を行う。 以上、上記の検討を踏まえて実用の場面に適した計測システムの構築を目指す。
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Research Products
(16 results)