2016 Fiscal Year Annual Research Report
ウエアラブル放射計と数値解析による屋外での人体の受熱放射量の把握と人体モデル化
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15H05539
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
中大窪 千晶 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30515143)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射環境 / 人体モデル / ウエアラブルセンサー / 放射解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、屋外空間における人体の日射・熱放射の受照量を計量化するために,自作のウエアラブル放射計による測定と数値解析を用いて人体の放射モデルを構築することを目的としている。 平成28年度では、まず、27年度において十分に検討できなかった都市空間における日射反射の分光分布の影響について、分光放射計と開発を行なっているセンサーを用いて都市空間内で実測とその精度の比較を行い、センサー構成の再構築を行った。その上で、前年度同様、六面体上にセンサー群を配置した上で、都市空間での測定制度の検討を行なった。次に、新たなセンサー構成を基にウエアラブル日射計の再設計を行い、使用者の複雑な動きなどに対応できるようにBLEに対応するなどの測定システムの構築を行なった。研究計画では、夏季に複数の被験者でウエアラブル日射計を用いた測定を行う予定であったが、精度検証やウエアラブル日射計の装着等に関する検討が予定通り進まなかったため、冬季における測定しかできておらず、残りの点については来年度に、測定を行う。 数値解析による体の日射・熱放射の受照量の把握については、下記の通り、研究を進めた。まず、人体形状の取得については、予算の関係上、高精度の3次元スキャナを使用することが困難であったため、写真測量と人体形状を作成するソフトウエアを用いて、成人と子供の人体モデルを作成した。次に、空間形状、構成材料の異なる実在する3街区について調査を踏まえて3D-CAD上に再現し、境界条件となる表面温度分布を算出した。これらの結果を用いて、空間形態や人体の向き等による受照量の違いを定量的に把握するために、日射・熱放射の受照量の算出を行なった。計算パラメータの検討など、部分的に課題はあるが、これらの結果に基づき、来年度において、実測結果との比較を行いつつ、人体モデルの構築に取り組む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度において、センサーの精度検証に関して、計画通り進まなかった部分が影響し、ウエアラブルセンサーを用いた、様々な街区での測定について、進捗が遅れている。 一方で、数値解析を用いた放射環境の把握は、計画通り進んでおり、来年度においては、目標としている成果が得られると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の進捗が遅れているウエアラブルセンサーについては、夏季の測定データが得ることを優先して研究を進めていく。また、数値解析については順調に進んでいるが、夏季の測定の前にデータがまとめられるように調整し、来年度後半には、放射人体モデルの検討が行えるように研究を進めていく。
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